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現場周辺で目撃された不審車両

 現場周辺で目撃された不審車両についても、白黒を確定させられなかった車が3台あるという。それぞれ、ナンペイの東側、南側、西側に停車していた、いずれも白の乗用車だ。

「車検証の廃棄、あるいは廃車処分となっていて、当時の所有者の裏取りを最後まで出来なかった」(同前)

 この16年(※掲載時)の間、銃弾の線条痕から過去の射殺事件や強盗殺人未遂事件との関連が注目され、犯人に繋がる情報を追って捜査員はフィリピンや中国にまで派遣されている。しかし、いずれも真相にまではたどり着けなかった。

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「過去に潰した情報も、繰り返し洗い直した。だが結局、なぜあの日、ナンペイが狙われたのか、出発点に立ち戻ってしまう」(元捜査員)

 従来の時効まで残り4カ月を切った2010年4月、法改正によって殺人罪の公訴時効が撤廃された。時効成立による捜査終結という「警察の敗北」はなくなったが、初動の蹉跌は、発生15年の節目を跨いで、捜査を未知の領域に突入させている。