1ページ目から読む
3/3ページ目

「国民の幸せを常に願って、国民と苦楽を共にする」のが皇室

 今年2月の天皇陛下誕生日会見。記者から「新型コロナウイルスの感染拡大により、皇室の活動も制限され、天皇陛下が多くの国民と交流される機会が減りました。(略)感染症の影響が長期化する中で、コロナ禍の天皇や皇室の在り方、今後のご活動の方針について、どのようにお考えでしょうか」と、質問された陛下は次のように答えた。

「歴代の天皇はその時代時代にあって、国民に寄り添うべく、思いを受け継ぎ、自らができることを成すよう努めてこられました。その精神は現代にも通じるものがあると思います。皇室の在り方や活動の基本は、国民の幸せを常に願って、国民と苦楽を共にすることだと思います。(略)国民の皆さんが痛みを分かち合い、協力し合いながら、コロナ禍を忍耐強く乗り越える先に、明るい将来が開けることを心待ちにしております」

天皇陛下記者会見 (宮内庁提供)

 陛下は、皇室の基本は、「国民の幸せを常に願って、国民と苦楽を共にすることだ」と、断言した。まして、今はコロナ禍という非常時である。医療従事者、飲食店関係者をはじめとして、多くの国民が日々、苦しく大変な思いをしている。それだけに、陛下の胸中には「国民と苦楽を共にする」という思いが、いつもより強いに違いない。陛下や秋篠宮さま、それに眞子さまたちもまた、国民に寄り添いながら、国民が苦しい時は共に苦しむ。国民と苦難を分かち合う。そういう存在なのだ。これがまさに皇室の基本であることを忘れてはいけないだろう。

ADVERTISEMENT

 こうした厳しい状況の中で、眞子さまの結婚問題が進められていることに違和感を覚えるのは私だけだろうか。

2020年の新年に公開された皇室ご一家のご近影  宮内庁提供

「眞子さまの結婚は、コロナ次第のところがある」

 眞子さまは、今年10月23日に30歳となる。この大きな節目に併せて眞子さまが結婚するのではないかと、一部で報道されている。だが、複数の関係者に取材すると、肯定的な答えは少なかった。「10月結婚説」の最大の“壁”は、やはりコロナ感染拡大の勢いが止まらず、先行きが見通せないことだという。

2017年の園遊会に出席された際の、天皇皇后、秋篠宮さまご夫妻と眞子さま ©文藝春秋

 ある皇室関係者はこのようにそっと教えてくれた。

「眞子さまの結婚は、コロナ次第のところがあるのでは。まだ、なにも決まってないというのが本当のところではないでしょうか」

 このコロナ禍は、秋篠宮さまが語った「多くの人がそのことを納得し喜んでくれる状況」にも遠い。皇室のお祝い事が、苦労している多くの国民がいる中で行われることが、相応しいのかどうか。それ自体を考え直す必要があるだろう。