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 ほかにもTravisJapanなど、タキニだと言われているグループもあるが、いま一番注目されているのはジャニーズJr.7人組のユニット「IMPACTors」だろう。コロナ禍で開催中止となった「ジャニーズ銀座2020 Tokyo Experience」C公演の出演メンバーで結成し、2020年10月の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で唐突に新ユニットとして発表された。グループの名付け親が滝沢副社長だったことから、ファンの間ではタキニ認定されたようだ。

 2021年3月19日放送の『ミュージックステーション』の「春うた2時間スペシャル」にジャニーズWEST、SnowManとともに、ジャニーズJr.内の先輩ユニットを差し置いてIMPACTorsが出演した際には、ジャニーズファンたちから「タキニ祭」と呼び、嘆く声が続出していた。

IMPACTors(公式サイト「ISLAND TV」より)

滝沢氏の「ジャニーさんが夢枕に立った」に不信感

 2つ目の理由は、テレビ露出が急増しているタキニは、「滝沢演舞城」「滝沢歌舞伎」でバックダンサーとしてアイドル時代の“タッキー”を支えてきたメンバーが主だということ。

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 河合やA.B.C-Zは「滝沢演舞城」がスタートした2006年から2010年まで出演し、Snow Manのメンバーは2010年から、滝沢副社長が現役を引退した現在に至るまで出演し続けている。

 しかも彼らは一様に “ジャニーズらしくない”面々ばかりなのだ。

 そもそも特定のグループ単体のファンではなく、ジャニーズ全体を「事務所推し」してきたジャニーズファンにとっては、「ジャニー喜多川氏のセンス=ジャニーズ」であり、ジャニー氏が逝去した後もその審美眼に最大限のリスペクトを払っている。

 ジャニー喜多川社長の愛した「小柄・美形・キラキラ」の王道ジャニーズに比べると、A.B.C-Zのメンバーはお茶の間の露出が多いのが河合と塚ちゃん(塚田僚一)というお笑い路線だし、SnowManは190㎝近いラウールを始め、目黒蓮や岩本照など180㎝超えやそれに近いワイルド系メンバーが多い。楽曲もキラキラ系というよりも、K-POPが歌うようなかっこいい楽曲が多い。

 それでいて滝沢副社長はたびたび故・ジャニー喜多川氏の名前を出す。

 2020年1月2日に東京・帝国劇場で行われた囲み取材では、ジャニー氏が夢枕に立ち、「僕のやり方にこだわらないで、もっと新しいことをやりなさい」と言われたなどと語っているし、2021年4月7日には「滝沢歌舞伎ZERO 2021」のゲネプロで「SixTONESもそうですけど、ジャニーさんから最後に受け取ったバトンをちゃんと大きくして、次の世代につないでいってほしい」と語ってもいる。

「滝沢歌舞伎ZERO2021」のポスター

 滝沢副社長が王道ジャニーズとかけ離れたグループを積極的に売り出していることもあり、ジャニー氏の名前を使うことに対して、「タキニであることを隠したいためなのでは?」と不信感を抱くファンも少なくないのだ。

 こうしたこともあり、《タキニ》を検索すると《タキニ 意味》《タキニ 誰》などとともに《タキニ 嫌い》《タキニ 被害者》などの言葉があがってくる状態になってしまったのだ。

 とはいえ「滝沢副社長になって、光が当たっていなかったメンバーを推してくれて嬉しい」という声もある。メディアの露出で圧倒的な力を誇示する「タキニ」と、少数精鋭の「ジュリニ」。今後、ジャニーズはどんな変遷を辿っていくのだろうか。