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まるで兄弟…ホークス・今宮健太と周東佑京の会話でわかった信頼関係

文春野球コラム ペナントレース2021 共通テーマ「師弟関係」

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“歴代セカンドの中で一番やりやすいのは誰か?”

 質問タイムでは、今宮選手に“歴代セカンドの中で一番やりやすいのは誰か?”というとても気になる質問が飛んできた。

 ファンの皆さんも興味津々の質問内容。数々の名セカンド選手がいるので今宮選手も悩んでいた。その隣でブツブツと周東選手が何か言っていた。聞いてみると「俺じゃない。俺じゃない」と俯いていた。

 その姿はいじけた子供そのもの。会場からも笑いが起きていた。そんな周東選手に気を使う訳ではなく、真面目な顔で今宮選手が口を開いた。

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「今のセカンドでは周東しかいない!」

 と断言した。そこには、周東選手への信頼と技術力、自主トレから周東選手の頑張っている姿を見た上で、今のセカンドは周東しかいないと選んだのだ。それを聞いた周東選手は満面の笑み。会場からは今度は拍手が起きた。ファンの皆さんも2人の二遊間に期待しているという証だ。

 実際にこの2人の二遊間は、プロ野球全体で見てもトップクラスの守備力を誇る。今宮選手周東選手はお互いに「今年は2人で二遊間を」という目標を掲げていた。目標通り、今シーズンここまで一番多い二遊間のコンビだ。今宮選手自身も「守備に関して今の所お互いの良いところが出ている」と話していた。

 この2人の二遊間のファインプレーはかなり魅せてもらっているし、数々のピンチを救っている。

 公私ともに信頼しあっている2人。

 今宮選手も今はナンバーワンショートと言われる程の名プレーヤーだが、昔はエラーしてベンチで泣いて、鳥越裕介元コーチに居残り練習してもらっていた時代があった。その苦悩があってこそ今の今宮選手のスーパープレーがある。周東選手も同じ様に、試合でエラーしベンチで泣いて本多雄一コーチに居残り練習してもらった。守備職人の伝統は間違いなく受け継がれていっている。

 また、今宮選手は周東選手にいつも言っている事があるという。

「真ん中に送球しようと考えるから送球が逸れることがある。適当に投げてこい! 俺がどんな送球でも捕るから!」

 会場はそんな男らしい発言をする今宮選手に見とれていた。もちろん僕も。そんな兄貴の熱いアドバイスに対して周東選手は「適当に投げれないから困ってるんですよ~」。可愛いく純粋な弟の発言に今宮選手も会場も一瞬で笑顔になった。

 絶妙なバランスの2人。

 さらに今宮選手は周東選手にこう言う。

「失敗して成長したらいい」

 迷わず思いっきりこいという“可愛い弟”へのエールだ。

 この2人の二遊間がこれからも沢山見られますようにと「ロッカールーム」に参加した皆が思った事だろう。

 シーズンは交流戦真っ只中。この2人の二遊間がこれからのシーズンを守備で打撃で足で引っ張ってくれることだろう。そして、これからも色んな師弟関係がホークスを強くしていくだろう。

 そして、どんどん成長する周東選手にもいつか弟が出来、立派なお兄ちゃんになる姿が今から楽しみだ。

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