文春オンライン

東京から約2時間…ゴールデン街に入り浸っていた「都会の夫婦」が“異世界”に移住して気がついたこと

田舎暮らしは異世界だった? 移住したひとに聞いてみた

2021/05/08
note

Google Earthで探した移住先

 ともあれ、こうした苦労もあってクマガエさんとルキノさんは2ヶ月ほどで最初の街を後にする。そうして移ってきた第二の移住先が、現在暮らしている地方都市というわけだ。

 この街を選ぶにあたって、2人はGoogle Earthで少しずつ東京に近いところを探した。ポイントになるのは、都心と田舎のちょうど中間のような街。

収穫期の様子(クマガエさん提供)

「街があって、緑があって、そのバランスがいいところを探したんですよ。以前住んでいたところも区分上は“市”だったんですが、中心に行っても特になにもない。そこでもう少し東京に近づいてみようということで、空から探しました(笑)。結果、東京からも1時間ちょっと、田んぼもあるし緑も多いし街もあるし、ちょうどいいところだと思って決めました」(ルキノさん)

ADVERTISEMENT

「最初は家賃1万円というのがひとつの目標だったんですが、さすがにここでは無理で。でも、2LDK駐車場込みで7万円ちょっとなんですよ。渋谷区にいた頃は1Kで12万円。東京からちょっと離れるだけで、家賃が半分、広さは倍になりました」(クマガエさん)

 東京から2時間もかからない地方都市に移れば、そのぶんこれだけ家賃にかかるコストを減らすことができる。テレワークに切り替えていく人も多いであろういま、場合によっては、あえて家賃の安い地方都市への引っ越しを視野に入れてみるのもいいかもしれない。

 

 そして、今の街に暮らして6年目に入ったクマガエさんとルキノさんは――。

「いまならもうちょっと田舎に住めるかな、もう少し利便性がなくても頑張れるかな、という気がしています。逆に、東京暮らしは人も多いしもう無理ですね(笑)」(ルキノさん)

 都会と田舎の中間のような、バランスのいい街で4年も田んぼをやって暮らしているうち、田舎暮らしにも慣れて物事の感じ方にも変化が生まれてきたという。

 2人は、ひとくちに田舎といっても街ごとに個性の違いがあると話す。