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「田舎は田舎、とひとくくりにしてしまいがちですが…」

「例えば千葉の田舎と神奈川の田舎、それこそ広島や宮城の田舎ではぜんぜん違うでしょうし。同じ程度の田舎具合でも、街によってカラーがあるんですよ。その中でどこを選ぶかはもう本当に好みじゃないかなと。だから、これから田舎に移住しようという人は、いろいろ行ってみて合う土地を探してみるといいんじゃないかと思います」(ルキノさん)

「田舎は田舎、とひとくくりにされてしまいがちですが、移住者が多い街だとか若い人たちがいろいろおもしろい取り組みをしているとか、そういう街もたくさんあるんです。ぼくたちも最初は軽いノリで引っ越して苦労しましたけど、やっぱりできるならどんな街があるのか、情報収集してみるといいですよね」(クマガエさん)

収穫期の様子(クマガエさん提供)

「私たちみたいに最初から田舎へ、ではなくて、都心から少しだけ離れて緑も多い郊外に引っ越してみるのもありだと思います。一気に変えるんじゃなくて。そこでの暮らしに慣れていけば、もっと田舎に住みたいと思うようになるかもしれない。もしかすると、逆に『都会のほうがいいなあ』と思う人もいる。田舎暮らしを考えるならば、まずはお試し感覚でちょっとずつ攻めていくのがいいかもしれません」(ルキノさん)

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「ぼくは編集者というフリーランスでもできる仕事をしていたからなんとかなった部分もあると思うんです。でも、普通の会社員の方がいきなり仕事をやめて田舎に移って生業をみつけて、というのは結構難しいだろうなと正直思います。ならたとえば、仕事は辞めずに通える範囲の田舎に引っ越してみるとか、週末起業のような感じで生業づくりの準備をしてみたりとか。一気に変えるのではなくて、そうやってちょっとずつにじり寄っていく方法もあるな、というのは自分たちの経験も踏まえて感じています」(クマガエさん)

 都会暮らしか田舎暮らしか、ゼロか100かではなくてその間を少しずつ探っていく。それが、いわば“異世界”でもある田舎への移住を実現するためには案外近道なのかもしれない。

「思った通りに育たない、だったらどうしようかを考える」

 

「田んぼとか畑って、自然相手の仕事じゃないですか。思うように行くことなんてほとんどないんです。思った通りに育たない、だったらどうしようかとかそれを考えて試行錯誤するのが楽しめるかどうか。都会を離れて田舎で農業に触れるとなると、やっぱりそこも大事ですよね」(ルキノさん)

 ゴールデン街で出会ったクマガエさんとルキノさんが、田舎に移住してすっかり酒場通いから離れて田んぼ暮らしにどっぷりハマる――。そうした価値観の変化が生まれるのも田舎暮らしのおもしろいところのひとつだ。

 まだまだ続くコロナの時代。収束したとしても人々の暮らし方、働き方が完全にもとに戻ることはないだろう。ひとつの選択肢として地方移住を考えるならば、マンガを読みながらクマガエさんとルキノさんの暮らしぶりを参考にしてみてはいかがだろうか。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。