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人材の“韓国流出”はもう始まっている
こうした状況が見えているからこそSKY-HIは焦り、「THE FIRST」をスタートさせたのだった。「若い才能は、次々と活躍の場を韓国に移している」とSKY-HIが述べるように、実際に現在K-POPで活動している日本出身者は30名以上にものぼる(松谷創一郎「“K-POP日本版”が意味すること」2020年9月28日)。
デビューしていない練習生は、おそらくその10~100倍はいるはずだ。つまり、すでに意欲のある多くの人材が韓国に流出している。SKY-HIの危機感は、決して大げさではない。
10数年前の「男性アイドルの難しさ」は、たしかに過去のものとなった。男性グループで国内マーケットに参入する障壁は、格段に下がった。
しかし、いまはそれとは別種の「男性アイドルの難しさ」が生じている。日本でもK-POPが基準とされる現在は、それと比肩する水準のパフォーマンスが必要とされる。
「男性アイドルの難しさ」は、音楽そのものとなったのである。
(後編に続く)