相次ぐ「ヤクザと女」をめぐる事件、そして、女性をめぐる暴力団のシノギについて、#1と#2で、警察当局の捜査幹部や暴力団幹部の証言を元に振り返ってきた。
では、そのシノギにもなる女性たちを、ヤクザはどのように引きつけているのか。
かつて、ヤクザは「格好良い高級車に乗って、“いい女”を連れて歩く」といったイメージで語られることがあった。1980年代の終わりから90年代はじめのバブルの好景気のころは、まさにこうしたイメージを体現していたヤクザが多かったようだ。近年は経済的な困窮から暴力団の数は減少傾向だが、時代は移っても、こうしたイメージは変わらない。
夜の街での女性たちとの付き合い、女性を引き付けるための身だしなみまで、暴力団の動向をウオッチし続けてきた警察当局幹部やベテランの暴力団幹部が、実体験から語った。
ホストクラブで女を遊ばせ、自分はその横で……
「ヤクザが女にもてるとすれば、それはカネだな」
首都圏に活動拠点を持つ指定暴力団幹部がニヤリと笑顔を見せて語る。
「ヤクザは格好つけて、財布の中にいつも100万円ぐらいは入れている。夜の街で1万円札が、ぎっちりと詰まっている財布の中身をパッと見せれば付いてくる女性は多い。カネだよ、カネ。逆に言えば、カネがないヤクザには女が付いてこない」
この幹部は気に入った女性がいれば、意外にも若い男性が在籍するホストクラブに連れて行くのだという。
「高級クラブで酒を飲んで、店の営業が終わればアフターでお気に入りのホステスをホストクラブに連れて行って遊ばせてやる。イケメンの男性ホストから接待してもらえば、ほとんどの女は喜ぶ。自分は楽しそうにしている女を見て、その横で酒を飲む」
朝までやっているという営業時間も、好都合だったという。