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 が、新幹線で行って新幹線で帰るのではいささかつまらない。そこで別の方法はないものかと調べてみると、どうやら路線バスが通っているらしい。路線バスは在来線の信越本線(つまりかつて碓氷峠を越えていたルートだ)の安中駅や磯部駅から出ている。出ていると言っても1日に数本しか走っていない秘境路線なのではあるが、せっかくなので行きは安中駅からバスで安中榛名駅を目指すことにした。

 

 安中駅から安中榛名駅までのバスの旅は約30分。しばらくは往年の中山道、国道18号を走ってから県道215号線に移って山道を登ってゆく。なにもないような山道ではなく、のどかな田舎道ではあるものの途中には学校があったりちょっとした集落があったりするような、なんの変哲もない田舎町である。

 そんな山道を進んでいくと、あるところから急に景色が一変する。街路樹がきれいに植えられた立派な道に出て、その中にそれまで見かけたような家とはどこか違った立派な一戸建て住宅群の中に入っていくのだ。その住宅群の手前には、「秋間みのりが丘」という表示もあった。どうやらここは、秋間みのりが丘と呼ばれる住宅団地なのだろう。

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「安中榛名」はどんな駅?

 安中榛名駅は、秋間みのりが丘の住宅団地を走り抜けた先にある。つまり裏を返せば安中榛名駅の目の前に秋間みのりが丘という住宅団地が広がっているというわけだ。ただ、駅前にびっしり住宅が広がっているわけではなくて、この団地そのものが山を切り開いて作られた。そのため、駅前からはほとんど住宅を見ることはできず、急な下り坂や階段を下った先に家があるといったあんばいだ。

 

 肝心の安中榛名駅はどんな駅なのか。新幹線の駅だけあってさすがに立派な駅舎ではあるが、自動改札はローカル線の小さな駅かと思うほどに少なく、駅前にもひとけはほとんどない。駅前広場の真ん中は駐車場になっていて、そこにはいくつものクルマが停まっている。秋間みのりが丘の団地に暮らしている人がクルマでここまでやってきて、新幹線で通勤でもしているのだろうか。

 
 

 駅前にとどまっていても仕方がないので、少し住宅団地の方に向かって歩いてみる。駅前の目抜き通りも立派な街路樹が茂るきれいな道で、交差点は信号のないラウンドアバウト。その傍らには「みのりが丘パノラマパーク」という広大な公園(というかもはや空き地である)がある。が、それ以外には取り立てて何があるわけでもなく、まっすぐ進んでいくと展望台のような施設に突き当たる。そこからは眼下に住宅地が見えるし、駅前にも公民館のような施設があったりするが、あえていえばそれくらいだ。