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開業は1997年。新幹線がやってくる前のこのあたりは…
安中榛名駅が開業したのは北陸新幹線が長野新幹線の名で開業したのと同じ1997年のこと。新幹線は安中榛名駅のすぐ西側でトンネルに突入し、そのまま碓氷峠を越えてゆく。つまり峠越えを控えたその目前の駅であることは紛れもない事実だ。
新幹線が開業する前にはこのあたりはまったくなにもない山奥だった。そこに新幹線がやってきて、駅ができるということで駅前が開発されて立派な住宅団地が生まれた。つまり、安中榛名の歴史はせいぜい30年。秋間みのりが丘の住宅団地は新幹線とともに山奥に突然現れた新興住宅地なのである。
この秋間みのりが丘、開発を手掛けたのはなんとJR東日本。新幹線駅直結という触れ込みで約49haの土地をJR東日本自らが購入して宅地として開発、分譲販売したものだ。町の名前は「びゅうヴェルジェ安中榛名」という。
本格的な分譲は2003年にはじまって、全601区画が完売したのは2016年になってから。足掛け14年と、いささか時間がかかってしまったともいえるが、こうした山中に作られたニュータウンが完売したのは立派といっていい。
新幹線通勤というスタイルが定着しつつあったことも功を奏したのだろうか。安中榛名から東京まで、新幹線「あさま」で約1時間。東京の八王子に住んでいてもだいたい東京駅まで1時間だから、勤めている会社が通勤手当をしっかり出してくれるなら、自然の多い安中榛名に暮らすというのも悪くないのかもしれない。新幹線ならだいたい座ることができるし快適だから、優雅な暮らしといってもいい。