出張ホスト、ウリセンボーイ、ニューハーフヘルス……。いまや男性によるさまざまな風俗サービス産業が存在していることは多くの人が知るところだろう。アダルト系出版社を経て、現在はフリーライターとして活躍する中塩智恵子氏は、そうした男性たちへのインタビューを行い、一冊の本を上梓した。
ここでは同氏の著書『男娼』(光文社)の一部を抜粋し、40歳を超えてなお“出張ホスト”としての活動を続ける男性へのインタビューのもようを紹介する。(全2回の1回目/後編を読む)
◆◆◆
女性とデートしてお金がもらえるという、軽い気持ちがきっかけ
―出張ホストやレンタル彼氏志望の男性のタイプって、この15年ぐらいで変わりましたか?
「出張ホストをしたいという男性? 女性とデートしてお金がもらえるんだという軽い気持ちが入口なのは変わらないんじゃないかなぁ。僕もきっかけはそうでしたから(笑)」
―生活に困ってとか、そういう切実な理由で始める人は少ない!?
「なかにはいるかもしれませんけど、あまりそういう話は聞かないですね。レンタル彼氏、出張ホストというのがテレビで取り上げられたりするから、ミーハーな気持ちで始める人が増えてきて、やたらと数だけ増えたイメージがあります」
―経済的事情よりも、間口の広さ、敷居の低さもあって、軽い気持ちで始めると。
「そうですね。特に就職試験があるわけでもないので、おいしい仕事だと思って気軽に始めている気がします」
―これなら俺にもできるぞ、みたいな。
「そうです。そんなにラクな仕事ではないのに。でも、僕が苦労人なだけかもしれません。若くないし、身長も高くないし。どうせお金を払うんだったら、もっと若くてかっこいいホストを呼びたいというのが女性の心理だと思うので。僕がちょっと苦労をしているだけかもしれないです(笑)」