昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

「わかった! やめてくれ!」愛知“包丁2本”でメッタ刺し なぜ23歳容疑者は遠く離れた埼玉の会社員を殺したのか?

2021/05/20

genre : ニュース, 社会

 日曜日だった5月9日昼過ぎ、愛知県田原市にある2階建てアパートに男性の悲鳴が響き渡った。

「わかった! わかった! やめてくれ!」

悲鳴を上げる男性に2本の包丁でメッタ刺し

 2階の廊下でもみ合う2人の男。叫び声を上げる年配の男性は必死に手で顔を覆う。一方的に殴られ、年配の男性は外階段を転げ落ちていくが、その悲鳴は、襲う側の若い男の耳には届かない。若い男は全速力で廊下を走り、自分の部屋に戻るとすぐにまた飛び出してきた。手に握られていたのは台所から持ち出した2本の包丁。

写真はイメージ ©iStock.com

「おらあっ」

 1階に落ち、うずくまる男性の上に再び馬乗りになると、男は包丁を振り上げた。

「待て! 誰か、助けてくれ!」

 なおも悲鳴を上げ続ける男性に向けて、包丁は何度も振り下ろされた。左足、右腕、背中……。地面に血だまりが広がった。

 若い男は近隣住民と郵便局員に取り押さえられ、まもなく駆けつけた愛知県警田原警察署の警察官に引き渡された。男は地元の工場に勤める会社員、辻田泰地容疑者(23)。襲われた男性は出血性ショックで死亡した。辻田容疑者自身も両手に傷を負っていたが、治療が終わった、事件の翌10日に殺人容疑で逮捕された。

自分の部屋から包丁を持って出てきた辻田容疑者 ANN NEWSより

 一部始終を目撃した近隣在住の女性が語る。

「昼間っから大きな叫び声が聞こえて。何かと思って外見たら、男が包丁持って誰かに襲いかかっていた。包丁は2本あるように見えました。驚いたなんてものじゃない。怖いですよ、こんな何もないところで日曜日の昼間から」