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被害者は全身を刺され、背中の傷は内臓に達するほど深かった
「大塚さんは埼玉県内の不動産関係会社に勤める営業マンでした。この日は埼玉から上司と2人で愛知県に出張で来て、辻田容疑者の自宅には1人で訪れていました。大塚さんと辻田容疑者は不動産投資を巡って、以前から揉めていたそうです。損失を巡る、いわば金銭面のトラブルです。営業担当だった大塚さんは、その話し合いのために辻田容疑者の自宅を訪れていたとみられます」
辻田容疑者の自宅アパートは築30年以上。最寄りの豊橋鉄道渥美線・三河田原駅から徒歩20分ほどかかる家賃月5万円ほどの物件だ。そんな場所に住む23歳の男がトラブルになるほどの不動産投資をするのだろうか。
「大塚さんは全身を刺されていて、背中の傷は内臓に達するほど深いものでした。辻田容疑者は最後こそ興奮状態になっていたのでしょうが、よほど強い殺意がないと一度家に包丁を取りに戻り、何度も刺すようなことになりません。当日は口論の末に事件に至っていますが、そこまでの恨みが募るほど金銭トラブルも根深かったということです」(同前)
実家は土地持ち、カネには不自由していなかった
そのトラブルの背景について、愛知県警の捜査関係者が言う。
「辻田自身は若いが、実家はかなりの土地持ちでカネには不自由していない。不動産投資にまとまった額を突っ込んでいても不思議ではなく、実際に2人の間にあったトラブルについても動機に直結するとみて調べている。当然、実家のご家族にも話を聞くことになる」
一人の命を奪うほどのことだったのだろうか。逮捕直後に否認した辻田容疑者は、その後の調べには淡々と応じているという。