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2017/10/15

JFKの威力が発揮されなかった2005年の日本シリーズ

 また、阪神の強力リリーフ陣といえば、どうしても思い出してしまうのは2005年の日本シリーズである。あの年、リーグ優勝を果たした阪神もまた、先述したJFKが獅子奮迅の大活躍。実際、ロッテとの日本シリーズを前にした各種報道でもJFKがクローズアップされており、「阪神は6回までリードしていれば勝てる」とまで言われていた。
しかし、いざ日本シリーズが幕を開けると、当時のエース・井川慶をはじめとする阪神の先発投手が序盤でロッテに先制点を許すという展開が続き、自慢のJFKをなかなか投入できないまま、屈辱の4連敗を喫した。当たり前のことだが、いくらリリーフ陣が強力でも、先発投手がある程度の責任を果たさないと宝の持ち腐れになってしまうわけだ。

 ちなみに、時の阪神監督・岡田彰布といえば1985年の阪神日本一イヤーの主力打者だったことでも知られている。あの年の阪神も先発投手が弱い一方で、リリーフ投手に関しては福間納、中西清起、山本和行の3人を筆頭に強力な布陣だったため、ある試合の折に選手会長でもあった岡田は「福間、中西、山本の3人を3回ずつ投げさせてはどうか?」などと吉田義男監督に進言したという逸話がある。その逸話を頭の片隅に残したうえで2005年の日本シリーズを懐古すると、なんとも味わい深かったりする。

CSにおける阪神のキーマンはリリーフ陣ではなく先発陣

 そんなことを思うと、今季のCSにおける阪神のキーマンとは自慢のリリーフ投手陣ではなく、彼らにつなぐ先発投手の出来だろう。

 故障から復帰してきたエース・メッセンジャーと今季急成長を遂げた秋山拓巳、さらに新旧左腕コンビの能見篤史と岩貞祐太。CSでの先発が予想される彼らが相手打線を6回まで、いや、もっと極端に考えると4回まで、とにかく全力投球で抑えてくれたら残りは自慢のリリーフ陣に託すことができる。もちろん、そのリリーフ陣が打たれることだって可能性としては十分あるわけだが、今季の阪神の場合、それで負けるなら納得できる。

 なお、CSでの登板が予想される先発投手に藤浪晋太郎の名前が入ってこないのは寂しい話だが、彼には焦らずじっくり課題克服に取り組んでもらいたい。個人的にはCSの救世主になる藤浪より、来季のペナントレースを通して大エースに君臨する藤浪を見たい。