昔々、世界はまだ真っ暗な闇に閉ざされていました。神はそこに光を与え、天と地を創り出しました。それから空を創り、海と大地を生み出しました。空には大洋や月や星、大地には草木を生やし、大地を駆ける動物と空を舞う鳥を創造しました。
やがて神はそこに自分をモデルにした男と女を登場させました。
神は、男と女を苦しみの一切ない楽園、「ハマスタの園」に住まわせました。神はおっしゃいました。
「この地でボールを投げたり、打ったり、走ったり、すべったり、それを見ながら太鼓をたたいたり、ラッパを吹いたり、歌ったり、踊ったり、ビールを飲んだり、チーチクを食べたり、ブーテキをブーブーさせたりしなさい」
疑うことを知らない男と女は、神の言いつけを守り、幸せに暮らしていました。神はひとつ、こう忠告しました。
「ただ、あのCSは、CSだけは、決して食べてはいけません。食べれば必ずや恐ろしいことがおきるであろう」
そんなにいいものなのだろうか、CSというものは……
理由はないけど神様の言うことはなんか絶対!! ですので、ハマスタの男と女はCSなんぞには見向きもせずに、ブーテキをブーブーさせながらのんびりと暮らしていました。
ある時、一羽の燕がハマスタの園に飛んできて、男と女にこう耳打ちしました。
「このCSを食べてごらんなさいな。恐ろしいことどころか、腸内環境が正常化される」
しかし神様の言うことは絶対!! なハマスタの男と女は、燕の話には耳を傾けませんでした。
しかしそれからも
「このCSを食べてごらんなさいな。お前が食わなきゃ誰が食う今」
「このCSを食べてごらんなさいな。と、宮島さんの神主も申してる」
「このCSを食べてごらんなさいな。マテオとドリスとメンデスの区別がつくよ」
などと様々な動物たちがあの手この手で誘いにくるのです。
「そんなにいいものなのだろうか、CSというものは……」
疑うことを知らないハマスタの男と女の心は揺れました。そしてとうとう、最後にやってきた一匹の兎に
「このCSを食べてごらんなさいな。契約していただければ今なら洗剤もお付けします」
と耳元でささやかれとき、我慢できなくなったハマスタの男と女はあの禁断の、神が絶対に食べてはいけないとおっしゃったCSを口にしてしまったのでした。