10代前半で芸能界デビューを果たし、初めて出演した映画で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。モデルとしても活躍し、1998年にはCM契約数年間1位を記録するなど、スター街道を駆け上がった吉川ひなのさん。しかし、同氏は当時の自身を振り返り「全然、幸せじゃなかった」と語る。

 移住し、ハワイで家族と幸せな毎日を送っている現在の生活が「人生史上一番幸せ」というのだ。そんな彼女が、自身の幸せに包まれた毎日について著した『わたしが幸せになるまで 豊かな人生の見つけ方』(幻冬舎)が大きな話題を呼んでいる。ここでは同書の一部を抜粋。吉川ひなのさんが実践する子育て術を紹介する。(全2回の1回目/後編を読む)

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お風呂やシャワーを使わない「洗わない育児」

 数々の自己流育児を勝手に編み出してきたわたしですが、その中のひとつに『洗わない育児』というお気に入りのやり方があります。

吉川ひなのさん自身も、最大で9ヶ月間連続で湯シャンをしていたという ©文藝春秋

 一人目の娘が産まれたとき、わたしは手もキッチンもなにもかも消毒する除菌マニアでした。

 もちろん娘を触る前も手をよく洗って消毒していたし、娘が使うものも一回一回煮沸をしたりと、目に見えない菌との戦いにわたしはなんの違和感も持っていませんでした。

 なんにも汚れていないまだ赤ちゃんの娘をわざわざ泡で洗っていたのは、「そうしなきゃいけない」と思っていたから。

 でも娘の肌が乾燥しているときがあって、なにも汚れていない赤ちゃんのふわふわな肌をわざわざ泡で洗う必要があるのだろうかと疑問に思い、肌のバリア機能や常在菌について調べ始めました。

 その結果、除菌マニアだったわたしは考えがガラリと変わり、娘にはシャンプーも石鹼も歯磨き粉も使わず、家の除菌グッズはいつの間にかなくなっていました。

 娘がどろんこになって帰ってくると綺麗好きな彼は嫌がるけど、わたしはせっかくそんなに綺麗な土がいっぱいついてラッキーなんだからあんまり洗わないでと思っちゃうくらい、菌の大切さと偉大さを知りました。

 息子は自宅で出産をしたから沐浴はさせず、産まれてくるとき体中についている胎脂もそのままにして、オーガニックコットンのタオルで優しく包んだだけ。赤ちゃんの肌はサイクルが整うまでに1年はかかり、胎脂は産まれたての赤ちゃんの肌を守ってくれる役割があるのだそうです。