「今度ははったり男爵登場」。

 IOCのコーツ副会長のことだ。緊急事態宣言が出されていても東京五輪を開催するのか?との質問に対して「答えはイエスだ」。コーツ氏のこの態度に東スポが名付けた。

 すると、“ぼったくり男爵”のバッハ会長のほうは五輪のために「犠牲を」と発言した(共同通信5月24日)。

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 この理不尽、悪役感すごい。東スポはもう「ぼったくり&はったり男爵」とコンビで報じ始めました。

やりたい放題のIOC

 かつてプロレス報道が華やかだった頃、東スポは来日する外国人レスラーの異名を付けるのが得意だった。その伝統がいま、大ヒールとなったIOC相手に発揮されている。

 ただあの頃と違うのは悪役を迎え撃つ日本のエースがいないことだ。それどころか日本の政治家は揉み手で迎え、主な全国紙はスポンサーとしてバッハやコーツを支えている。当然IOCはやりたい放題となる。観客(=国民)の8割近くは“もうその興行はやめたほうがいい”と言っているのにお構いなし。これぞ本当の無観客試合である。

「ぼったくり男爵」ことIOCのトーマス・バッハ会長 ©JMPA

 何がすごいって3度目の緊急事態宣言の期間をバッハ会長の来日に合わせていたことだ(どの新聞を読んでもふつうにそう報じていた)。そして宣言延長となったらバッハはあっさり来ない。

 サンスポのコラム「甘口辛口」はその理不尽さについてこう書いた。

「何が何でも五輪を開くというなら、バッハさん、今回は何が何でも来るべきじゃないですか?」

「日本の国民が五輪に対しどういう感情をもっているのか、医療体制はどうなのか、自分の目で確かめるべきだ」

「来られないならその理由をはっきりすべきだ。開催国の現状を見ないで断固開催を言い張る人に、五輪を開く資格があるのかと問われても仕方ない」(5月10日)

 全国紙よりスポーツ紙のコラムのほうがハッキリ書いているではないか。