昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2021/05/31

source : 文春文庫

genre : ニュース, 社会, 政治, 経済, 読書

資本金の穴埋めだけでなく……

「94年ごろのことだったと思います。水谷会長が会社へ1000万円を持ってきた。それを2人で議員会館の野中事務所へ運びました。金を受け取ったのは加藤さんでした。私の認識としては、野中事務所に資本金を返還したようなものです」

 そもそも出資金である1000万円の出どころすら不明なのに、不思議だったと話すのである。

 水谷功は加藤に対し、特段の好意を見せている。加藤のために、東京・江戸川区にある高級マンションを購入したという話まであった。それを水谷本人に聞いたことがある。

©iStock.com

「あれは俺が持っていたマンションだったんやがな。加藤さんが欲しいいうから、売ったまでのことや。それで、もういらん言うので、他の人に買ってもらった。それだけのことです」

 そう庇う。この件について03年当時、加藤に説明を求めたこともあるが、要領を得なかった。

「いくら言っても本意が伝わらないので答えません」

 かたや、野中広務事務所では迷惑な話だといわんばかりの対応だった。

「加藤に関しては、もう2年も前(01年)に事務所を辞めてもらい、うちとは関係ありません。だから知らん」

政界ネットワークに引き寄せられた秘書

 ニチメン詐欺事件を端緒にして浮上した加藤の数々の疑惑に、水谷建設が深く関係している事実は動かしがたい。それが野中を政界引退に追い込んだのもまた、間違いあるまい。

 政商・水谷功は、幅広い政界ネットワークを張りめぐらせてきた。一筋縄ではいかないその複雑な網の目に引き寄せられた国会議員や秘書は少なくない。小沢一郎事務所の大久保隆規も、その1人といえた。

【続きを読む】宅急便の茶色の紙袋に5000万円の現金を詰めて…水谷建設元首脳が明かす小沢事務所“裏金工作”の現場

この記事の写真(3枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春文庫をフォロー