現金の受け渡しに立ち会った第三者の証言
小沢サイドはこれらの裏献金について、一貫して水谷功の証言だから虚偽だと匂わせる。しかし、供述しているのは水谷建設の人間だけではない。1億2500万円のうち、大久保が受け取ったとされる7500万円については、第三者が立ち会っている。孫請けに入っていた日本発破技研社長の山本潤だ。
「もともと山本さんが大久保と知り合いだったので、水谷功さんが川村とのパイプ役を頼んだ。もちろん、その山本社長も東京地検に呼ばれ、事実を証言しています」
この水谷建設関係者の話の真偽を水谷功本人に尋ねると、その答えは変わらない。
「俺が（現金授受の立ち会いを山本に）頼んだのは間違いない。だから、この件については、川村と同じくらい事情を知っているはずや。この先も仕事せないかんので、なかなか表立って真相を話せんだけやわね」
政官業を漂う水谷マネー
水谷功の指令による裏献金は政官業の裏舞台を漂ってきた。それは、いつしか関係者のあいだで水谷マネーと呼ばれるようになる。その水谷マネーが、民主党きっての実力者を窮地に追い込む結果になるのである。
「水谷建設から現金を受け取り、自分で使った」
ついに、小沢一郎の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部の調べに対し、起訴された大久保隆規がそう供述していたことが判明する。
「私も秘書も不正な金を受け取ったことはない」
それまで一貫して否認してきた本人のコメントに、矛盾が浮かびあがる。そして、いったんは検察が不起訴にした審判が、検察審査会の議決により、反転する。小沢一郎への裏献金の審理が、法廷に委ねられることになるのである。
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