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 相談時間は短い人で3分、長い人で3時間。これ以上の時間になると自動的にココナラのほうで通話が切断されるシステムになっている。しかし、再び同じ人がすぐに電話をかけてくることも稀にあり、けんちゃんママの最高電話通話記録は8時間47分。朝に電話がかかってきて、電話が終わったのが夕方ごろ、なかなかな重労働だ。

 それでも、平均すると電話相談の時間は30分から1時間ぐらいで収まるという。一見、長時間労働のように見えるが、実際は自分の空いている時間だけで対応をしているので、スケジュールにがんじがらめになることはない。

けんちゃんママ

 2人の子供のお母さんである彼女にとって、好きな時間に稼げる電話相談の仕事は、理想の副業の形といえる。

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家具の相談から「レポートが終わらない!」「励まして欲しい」まで

 電話相談には必ずココナラの仲介が入るので、電話番号が相手に知られることはない。お互いが評価し合うシステムなので、常軌を逸した電話相談がかかってくることはほとんどないという。

 どんな人が、どんな相談をしてくるのか。

「主婦、学生、サラリーマンさまざまです。友達や身内に相談できない深い悩みが多いです」

 夫の愚痴やパワハラの相談、独身女性からの転職や結婚の悩みなど、知っている人には相談しづらい話が大半を占める。

 一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。

 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。

「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」

 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。

 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。

「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」

悩みを聞くコツは…

 悩みを聞くコツはあるのか。

「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」

 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。

 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。