山本被告に懲役22年、岸被告に懲役15年の判決
2019年10月20日、山本美幸被告(42)と交際相手の岸颯被告(25)が主婦の高畑瑠美さん(当時36)に度重なる暴行を加え、瑠美さんが外傷性ショックで死亡した事件。
今年3月、山本、岸被告は瑠美さんを精神的、身体的に抑圧し死亡させたとして、傷害致死や監禁、恐喝などの罪で、それぞれ懲役22年と15年を福岡地裁で言い渡された。
山本被告が瑠美さんと知り合ったのは2008年頃。瑠美さんの実兄の借金を名目に恐喝していたが、2019年8月下旬に瑠美さんを家族から引き離して岸被告と暮らす自宅に住まわせ、孤立させた。それ以降、誰も見ていない山中や自宅のみならず、人のいるホストクラブやバーなどでも、殴る蹴る、バタフライナイフや割り箸を刺す、火のついたタバコを押し付けるなどの暴行を日常的に加えるようになっていった。
《悶絶してた》《うごーっても言っていた》
そして瑠美さんが亡くなる5日前頃から、暴行は瑠美さんを死に至らしめるほど激しさを増していく。ただしほとんどが密室で行われたため、目撃者がおらず、物証も乏しい。両被告も自分たちが不利になる内容には言及しておらず、詳細のすべてが明らかになってはいない。
しかしその数少ない物証や証言でさえ、暴行の凄まじさを十分に物語っている。
10月15日、山本被告は知人のホストに電話をした。そこで「(瑠美さんを)ガムテープで縛っている」「どついている」と話している。
岸被告も同日、山本被告の息子Bさんに、LINEで《左ひざの皿くだいた》《口にガムテープとタオル巻いて紐で手縛ってたから悶絶してた》《うごーっても言っていた》などといった内容を送っている(「太宰府主婦ホスト漬け事件」裁判#2)。