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《左ひざの皿くだいた》”普通の主婦”が苛烈な暴行で絶命した「太宰府女帝事件」最後の5日間

「太宰府“主婦ホスト漬け”傷害致死」裁判  #3

genre : ニュース, 社会

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「車の中にいる瑠美さんが息をしていない」

 10月18日には山本被告がバーで瑠美さんの腹部を足で蹴っているところが目撃されている。

 また同日夜から翌19日にかけて、岸被告が木刀で瑠美さんの臀部などを殴打した。この時の行為については、後述する音声データのなかで、山本被告が「昨日(岸被告が)夜中まで殴りよった」「ケツを何発か木刀で」などと話し、岸被告が「木刀も洋服の上やけん大丈夫と思うよ、直接皮膚じゃないけん」と応えている。

 そして瑠美さんが亡くなった10月20日の早朝。

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 バーを訪れていた山本被告を迎えに、岸被告は車で中州の繁華街へ向かっている。後部座席には自ら乗り込んだという瑠美さんが座っていた。このとき、瑠美さんは木刀で体中を殴られ、岸被告が《左ひざの皿くだいた》状態だった。そしてそのまま、絶命した。

 岸被告が瑠美さんの異常に気が付き、山本被告に「車の中にいる瑠美さんが息をしていない」と連絡。山本被告はバーを経営する男性とともに、岸被告らの乗る車のあった近隣の駐車場へ向かい、車の後部座席で力尽きた瑠美さんを確認したという。死因は「外傷性ショック死」で、法廷では両被告による度重なる暴行が原因と断定された。

ホストクラブでの山本被告(左)と岸被告(右)

「死んだことに気付いてないフリをしよう」と山本被告

 そこで両被告らは警察に通報することなく、後部座席に瑠美さんの遺体を乗せたまま、約1時間かけて太宰府市のインターネットカフェの駐車場まで車を移動させ、その場に車ごと遺棄した。山本被告は法廷で「瑠美が亡くなっていたと思っていないです」と、死体遺棄には当たらないと主張した。

 しかし、同乗したバー経営の男性は密かに車内の会話を録音していた。山本被告らは元暴力団員の田中被告と電話でこうやりとりをしている。

山本被告「まさか死ぬとは思ってないよ」

田中被告「言うた通りになったな」

岸被告「なりましたね~」

山本被告「死んだということに気付いてないフリをしようと思ってる。どうしたらいい? 傷とか」

田中被告「病院連れて行ったら全部めくれるぞ」

 こうして瑠美さんは残忍な暴行の末、命を落とした。