そして締めは「伝説のチャンピオン」。この曲は1977年10月にシングルとして発表されたが、最初に書かれたのは1975年で、しかも日本にも縁がある。
この曲が書かれたのは、大成功に終わった初訪日公演の帰りの機上。頂点に立った日本での興奮体験の想いを書き綴った。 その後、アルバム「世界に捧ぐ」のレコーディング時に、ブライアンの書いた「ウィ・ウィル・ロック・ユー」に触発され、スタジアムでオーディエンス全員が一緒に歌えるようなシチュエーションを想定してこの曲を完成させたのだ。フレディの思惑通り、「ライブ・エイド」に駆けつけたウェンブリー・スタジアムの7万人、そして衛星中継画面を通じた何億人の視聴者が共に歌った。
“本物”のクイーン、重要なキーパーソン…映画を彩る「名シーン」
本編が終わりエンドロールに流れるのは“本物”のクイーンの映像と「ドント・ストップ・ミー・ナウ」。1979年1月にシングル発売されたフレディが書いたこのナンバーで『今を思いっきり楽しんでいるんだから、誰もオレを止めるなよ』と、まさにフレディの、生き様を描いた歌だ。“本物”の映像が現れたことで、逆にフレディを演じたラミ・マレックら俳優陣の演技のすごさに気づかされ、本作のエンドロールを飾るにふさわしい曲だといえるだろう。
そんな映画「ボヘミアン・ラプソディ」には、本編のストーリーこそ関わることはなかったが、もうひとつ、重要なキーパーソンがしばしば登場する。猫だ。
フレディの傍らには必ず彼(彼女?)らがいた。フレディは猫をこよなく愛し、家族のように接した。訪日した際は招き猫を買い集め、可愛がっていた三毛猫デライラを歌った「愛しきデライラ」という曲もあるほどである。
映画「ボヘミアン・ラプソディ」には数多くのクイーン・ナンバーが使われているが、シーンとして登場しなかったものも含め、他にも魅力ある楽曲がたくさんある。猫の歌があるぐらいだ。映画を見て、少しでもクイーンに興味を持たれたら、是非、他のクイーン曲も聴いてみて欲しい。
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※文中のリリース日は英国での発売日
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