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“黒人のルックス”、“東南アジア出身者の韓国語”をジョークに… 韓国グループの「人種意識」を変えたBTSのファンの“底力”

『BTSとARMY わたしたちは連帯する』より#2

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 初期のBTSも同じようなところがあった。RMがメディアで黒人英語が「個人技」だといったり、ヒップホップアイドルを標榜するグループらしく黒人風のスタイルで差別化を図ろうとしたりしていたのだ。『Amino』や『Reddit』のような海外のファンコミュニティでは、BTSを含むK-POPシーンの人種差別が繰り返し議論されていた。そんななか、BTSはこのような批判に耳を傾け、同じ過ちを繰り返さないように努めた。黒人を卑下する「Nワード」と似たような発音の韓国語の歌詞を、似たような発音の別の単語に修正したのが、代表的な例だ。おそらく、ファンダムがグローバル化するなかで、ファンダムの文化的多様性をどのように見つめ尊重すべきか、BTSや所属事務所で話し合ったのだろう。

ファンダム内の人種主義

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 しかし、BTSのファンダム内部では、黒人ファンへの人種差別的な態度をめぐり、激しいやりとりが続いていた。それが表面化したのは、黒人ARMYたちが声を上げたことがきっかけだ。黒人ファンは、「匿名でメッセージをやりとりするSNS『Curious Cat』のような場で、黒人ARMYにたいする差別的発言があった」とし、その内容を暴露した。ところが、これにたいするファンダムの反応は、黒人ARMYの怒りをさらに煽った。「差別発言が外部に知られると、BTSにたいする印象が悪くなる恐れがあるため、公にしないでほしい」と要求したのだ。歴史的に差別と抑圧を経験してきた黒人コミュニティに、差別について語らないよう求めるのは、おかしなことだ。そのうえ、一部の韓国ARMYも人種差別的なメッセージを黒人ARMYに送り、事態は悪化した。韓国ARMYは、BTSのメンバーに悪いジョークともとれるコメントを送る黒人ARMYを不快に思う一方で、黒人ARMYは、韓国のホムマ(注2)がBTSメンバーの写真を白い肌に修正する(注3)ことに不満を募らせていた。感情の溝が深まるなか、一部の韓国ARMYから「『BTSは黒人が嫌いだ』『ファンダムから出ていってほしい』とNワードが入った文章で叩かれた」と、黒人ARMYが相次いで証言した。ついに、このファンダム内での衝突は、ある外国メディアで報道され、注目を浴びることになった。