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やむなく水商売に流れる女子大生は「正直なにも信じられない」
しかし、いざ、夜職を始めようと思っても圧倒的に情報が足りなかったという。
「どの街で働けばいいのかわからない。友達がいれば『あの街は危ない』とか『あの駅周辺はこういう客層』とか聞けたのかもしれないんですけど……。とにかく家から近いお店に応募して、体験入店してみました。
入ってみて知ったんですけど、キャバクラで働くにしても、ドレスが必要だったり、髪をセットしたりしないといけない。体験入店の時はドレスを貸してもらったんですけど、自分で買わなきゃいけなくなって、その資金を稼ぐためにマッチングサイトでパパ活もやってみました。
会った男性に私の境遇を少し話すと『だったらお金を貸してあげる』とか、『もっとワリのいいバイトがあるよ』とか、そういうことを言っていただけるんですけど、正直なにも信じられなくて。キャバクラで働きはじめても、同じようなことを言ってくるお客さんばかりですね。
お店は換気も悪くて、いわゆる『密』なんですけど、先輩とかお店のボーイさんとかは一度コロナにかかった人が多く、自分たちはもう大丈夫と思ってるのか、コロナ対策もテキトーで心配。いろいろストレスもありますけど、せっかく上京したのに、ほぼ夜の世界しか知らないままというのが病みますね……」
コロナ禍という未曾有の天災のおかげで、社会構造が変化してしまうのは致し方ない。しかし、緊急事態宣言で飲食店ばかりを厳しく制限したおかげで、やむなく水商売に流れる女子大生を生み出してしまったことは、ある意味で人災だと言えるかもしれない。