コロナ禍でドカっと女の子が減った店
飲食業界と同様にコロナの影響が大きかったのがエンタテイメント業界だ。「不要不急」とされたライブ、舞台、映画などの中止は、風俗業界の求人にも影響を与えたという。あるメイド系デリヘルの店員はこう話す。
「ウチの場合はコロナになって、女の子の数がドカっと少なくなっちゃったんです。初期の頃は、単純にコロナが怖くて出勤したくないコが多かったです。不特定多数のお客さんと濃厚接触するんでね。コロナが収まるまで休ませてくださいといって、そのまま来なくなるコもいましたね。でも、いちばん多いのは、そんなに頑張って働く必要が無くなったというパターン。
ウチで働くようなコがお金を稼ぐ目的は、いわゆる『推し』のためなんです。アイドルとか、声優とか、2.5次元ミュージカル俳優とか、そういう推しを追っかけたり、もろもろ課金するために短時間で稼ぐ必要があった。でも、コロナでライブとかイベントがほぼほぼ無くなったので働く必要がなくなって、辞めていっちゃんですよね。
あとウチのコは意外と実家暮らしが多くて、親にはカフェとか飲食店でバイトしてると嘘ついてたコも多かった。でも、その飲食店が休業したり、時短営業しているからアリバイが無くなって、店に出れなくなったというのもありますね」
2020年の春にコロナ禍が始まり、年末まではそんな傾向が続いていたというが、今年に入ってから傾向が変わってきたという。
「春ぐらいから応募も増えてきたんですけど、18~20歳くらいの、まったくの未経験というコが増えましたね。どういう仕事なのかよくわかってないのか、NGナシでなんでもやりますというタイプが多くて。時間があるのか、毎日出勤してくれたりして、潰れちゃうんじゃないか心配になることもあります」
風俗をはじめた理由と行動が、それまでの女のコとは違ってきているという印象のようだ。デリヘルで働いていたという林美紅さん(仮名、18歳)も、業界構造の変化の波に飲まれてしまった新卒風俗嬢だ。