昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2021/06/07

genre : ライフ, 歴史, , 社会

 町田駅前ラブホ街を抜けたかなり先には、国道16号が通っている。国道16号は横浜を起点に首都圏の郊外をぐるりと回る環状道路。その途中にはここ町田や相模原、八王子、福生、大宮、春日部、柏、船橋、木更津、横須賀などがある。ロードサイドの大型店舗などはこの国道16号からはじまったというほどのザ・郊外な道路だ。NHKの「ドキュメント72時間」でもいつだったかこの国道16号を取り上げていて、夜な夜なこの道を歩く人に「幸せですか?」などと聞いていた。

 

 で、この国道16号は絶妙な郊外を走っていることもあって、今もたまに暴走族が現れるのだとか。そういう道が近くに走る東京と神奈川の都県境のターミナルのちょっと裏側、という事情が、駅前のラブホ街につながっているのだろうか。

 

小田急町田駅に向かおうとしたのだが…

 いつまでもおじさんがひとりでラブホ街を歩いていてもむしろ怪しさが増すだけなので、今度は横浜線町田駅の北側に向かうことにする。再び橋上駅舎に戻って通路を歩くと、こちらは人通りがあまりにも盛んなペデストリアンデッキに出る。

 

 デッキの下には盛んにバスが行き交う大きな通りがあって、デッキの周りはルミネはもちろんマルイや町田東急ツインズといった商業ビルが取り囲む。南口の少し閑散とした雰囲気とは大違い、実に賑やかで明るく、44万都市のターミナルにふさわしいエネルギーに満ちている。これこそが、正真正銘の町田駅の姿なのだ。

 

 そうは言っても今は横浜線の町田駅。東京都心と町田を直結する小田急線の町田駅にも行かねば片手落ちにもほどがある。なので小田急町田駅に向かおうとしたのだが……いったいどこに向かえばいいのですかね……。

 そう、町田駅、さすがの44万都市のターミナル、まるでダンジョンさながらの複雑さを持っているのである。横浜線の改札から北口のペデストリアンデッキに出て、そのままデッキを歩いて行けば小田急線の町田駅にも繋がっているようだ。ただ、なんとなくの方向を示す矢印があるだけで、それに従って歩いていっても駅舎や改札などは見当たらない。

 

「このあたりに駅があるはずだ」

 マルイの前を通って90度に折れて右に曲がってさらにデッキを進んでいけば、このあたりに小田急の駅があるはずだ。すると、ちょっと薄暗いところに階段があって、そこを次々に人が降りていく。「小田急線 町田駅」という看板も見つかった。でっかいビルはあるのだが、それは駅というわけでもないのか。

 
 

 種明かしをすれば、これは小田急線町田駅がすっぽり小田急百貨店の中に入っているからだ。小田急百貨店と横浜線の間のデッキ下はバスターミナルになっていて、もしもこちらに降り立ってしまったら方向感覚を失いそう。町田駅を散歩するみなさま、意外と迷いやすいので気をつけてくださいね。