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ネットでは事件と関わりのない人の名前と顔写真が晒され続ける

 一連の報道を受けて旭川市教育委員会は5月に第三者委員会を設置し、イジメに関する再調査を開始した。爽彩さんがイジメを受けてから2年。ようやく事態が動き出した一方で、ネットでは遺族に対する誹謗中傷があふれ、事件と関わりのない人たちの名前と顔写真が晒され続けている。5月25日、爽彩さんの母親はFacebookで以下のように現在の心境を綴った。

《何度も申し訳ありませんが 2019年の関係者を捜したり 断定する事は控えてください。関係者につきましては こちらは把握しております。私が捜している名前を知りたい等はありません。関係者を公表する予定もございません。皆様にはご心配をおかけしておりますが 新たな無関係の被害者を出す事になる為 再三のお願いにはなりますが お控え下さいます様、宜しくお願い致します。SNSでの誹謗中傷も心を痛めている方が沢山います。発言前にもう一度確認し 相手に対して思いやりのある言葉なのか 確認した上での投稿をお願い申し上げます》

イジメの被害を伝えるメモ

事実とはあまりにもかけ離れた「他殺説」や「陰謀説」

 ネット上では現在、爽彩さんと別の少女の動画も拡散されている。またネット上で後を絶たないのが、事実とはあまりにもかけ離れた「他殺説」や「陰謀説」を唱える書き込みだ。5月21日に爽彩さんの事件について報じたYouTubeライブ「文春オンラインTV」でも、コメント欄には「爽彩さんの死は絶対に自殺ではなく、他殺です。皆隠蔽しています」といった趣旨の書き込みが多く見られた。また、実際に遺族のSNSへ「爽彩さんが他殺だったというのは本当ですか?」と、ダイレクトメッセージが送られてくることも頻繁にあるという。

 だが、爽彩さんの死因は「他殺」ではない。

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友人に送ったLINEメッセージ

「失踪当日、自殺についてLINEでほのめかしていたものの、どこまでその意志があったのかは不明です。なぜ(死体が発見された)公園にいたのか、その経緯や亡くなった際の詳しい状況もよくわからないのです」(爽彩さんが失踪した当時、捜索を行った近親者)