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警察は「あの天候では、3時間くらいしか体力的にもたなかったのでは」

 前出の近親者が、2月13日、爽彩さんが失踪した当時の様子を明かす。

「失踪当日、爽彩を車で探しているときに車内の外気温計や街中の温度計はマイナス17℃を指していました。雪が降っているほうがまだ暖かくなるのですが、あの日は晴れていて、放射冷却でさらに冷え込む夜でした。爽彩が行方不明になった3日後に旭川には大雪が降りました。猛吹雪で膝くらいまで雪が積もり、車で捜索を続けましたが雪で視界が悪く、捜索は難航しました。警察には『あの天候では、3時間くらいしか体力的にもたなかったのではないか』と言われました」

 

 爽彩さんの遺体は失踪時と同じ、薄手のパンツとTシャツ、上にパーカーを羽織っていただけの状態で発見された。

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「ネット上では、爽彩が何者かに連れ出され、遺体発見時には一部の所持品がなくなっていたという話がまことしやかに流れていますが、事実無根です。財布は自宅に置いたままで、スマホもリュックも長靴も、すべて所持品は遺族の元に返却されています。爽彩が見つかった場所が公園の土管の中だったという話もありますが、これも事実ではありません。土管で見つかったのなら、警察の方がスコップで掘り起こす必要もありませんから」(同前)

イジメがあった公園 ©️文藝春秋

SNSで母親が捜索の協力を呼びかけると「虐待していたんですよね」

 爽彩さんの母親は、爽彩さんの失踪当時から現在まで様々な誹謗中傷を受け続けてきた。

「母親がFacebookで捜索の協力を呼びかけると、『庭を調べろ。土の中に埋まっている』『虐待していたんですよね』『行方不明はデマですよね?』『どうせ母子家庭なんだから貧困理由でしょ』『この人、生活保護なんだって』と、事実ではない心無いメッセージが送られていました。最近では、興味本位でボランティアを装った人が自宅に押し掛けたり、遺族の把握していない募金活動が行われたりもしています。遺族の知らないところで爽彩さんが生前に描いた絵を商品化しようとする人まで現れ、遺族は心を痛め、とても苦しんでいます」(同前)