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仕事上の不都合や日本人社員との軋轢は?
韓国からの就活生が増えた一方で、「韓国人だから」という理由で、仕事上の不都合や日本人社員との軋轢はないのだろうか。
たしかに、日本語の敬語の難しさから言い間違いをして、それをからかわれることなどは珍しいことではないようだ。それでも同社に目立ったトラブルは報告されていないという。
ただ、意外だったのは、ある会社を取材する中で、「なにか問題はありますか?」という問いに対し、「以前からいる在日の社員たちが……」と言葉を濁した採用担当者がいた。その担当者によれば、以前からいる在日社員は韓国採用の社員に対して先輩という意識が強く、ことさらにやる気を見せる社員に茶々を入れたり、ネガティブな発言をしたりすることが見受けられたという。
その会社の担当者は、「社名は勘弁してください。まだ日韓というとセンシティブに捉える役員たちもいまして……」と打ち明ける。
たしかに、日韓問題は常に政治に左右され、一旦、事が起これば、両国ですぐに感情的な反応が起こる状況が続いている。
それでも取材して実感するのは、日本に渡った若者たちは、エンターテイメントの世界を足掛かりに日本と韓国の間に立ちはだかる壁を、いとも簡単に乗り越えているということだ。そのスピードは、完全に政治を置き去りにしている。それがビジネスの世界にも広がっていることを証明しているのが、この韓国人人材の採用イベントのようだ。