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2021/06/12

「定期昇給」「社内教育制度」に驚きも

 日本企業側も、韓国人学生の反応を通して、彼らが来日せざるを得ない“韓国側の事情”に気付かされることがあるという。

 やはり「政治にコミットメントされたくないので……」と前置きした上で、匿名で取材に応じた東京のデータ処理を専門にする中堅企業の社長は次のような発見をしたという。

 この会社は、すでに釜山、ソウルと2回のイベントに参加し、60人以上と面接。4人の韓国の人材を採用した。

 面接をする中で驚いたのが、日本企業では当たり前とされる「定期昇給」や「社内教育制度」などについて説明すると、韓国の学生たちは「そんなことをしてくれるんですか」と本当に驚いた表情を見せたことだという。

 学生に聞くと、韓国企業で「定期昇給」があるのは財閥系など大手企業が中心で、即戦力として人材を採用するのが前提なので、社員の教育制度を用意している中小企業も少ないのだという。

写真はイメージ ©iStock.com

 同社が採用した4人のうち、技術者は2名。他の2名は総合職として採用し、大手通信機器メーカーを担当する営業を行っている。同社の社長が語る。

「彼らは非常に優秀。コロナの影響で、取引先と密なる関係を作るのは難しいのですが、事務的な処理能力が図抜けていますね」

 この背景には、元々の能力差ということではなく、先にも触れた韓国の厳しい就職状況によって、「自らの能力を認めてもらわないとすぐに解雇されてしまう」という韓国の雇用システムから生まれる“危機感”が影響しているようだ。

「反日」運動が存在する一方で

 政治の対立から生じる韓国での「反日」運動は確かに存在する。しかし、その一方で、韓国の若者の大半は、日本のアニメを見て育ち、潜在的には日本に好意を持っている者たちの方が多数なのである。

 日韓関係の改善が暗礁に乗り上げる中で、エンターテイメントやビジネスの世界では、日本と韓国はさらに近付こうとしている。(文中敬称略)

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