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「8年間待っていた」日本女子バレーの新星セッター・籾井あき(20)の“直言”をチームは受け止められるか?

2021/06/06
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新人なのにチームの問題点を臆せず指摘

 日本だけでなく、世界もこの新星セッターに熱い視線を送っている。国際バレーボール連盟のオフィシャルメディア「バレーボール・ワールド」は「Momii sports a winner's mindset」と題した特集を組み、「彼女のポジティブな姿勢が日本の成功の鍵」「ポテンシャルの高さが証明された」と絶賛した。中でも強調されたのが籾井の勝利に対する“欲求”の強さだった。

「籾井はブラジルに負けた後、『戦う以前に、自分たちの勝つっていう気持ちがあまり出せていない』とコメントしましたが、これは一歩間違えばチームメイト批判です。荒木絵里香(36)のようなベテランならともかく、代表戦初出場の籾井が発するにはかなり強い言葉です。ただ、問題だと感じた部分をずばっと指摘できるのも、勝ちたいという気持ちが強ければこそ。周囲もそれが分かっているので、このコメントをマイナスに捉える人はいません。そういえば竹下佳江(43)も真っ直ぐすぎる発言で物議を醸したこともありますし、似ている部分があるのかももしれませんね」(同前・スポーツ紙記者)

2012年のロンドン五輪で銅メダルを獲得したチームで竹下佳江はまさに大黒柱だった ©文藝春秋

 籾井は名門の八王子実践高校を卒業し、2019年にJTマーヴェラスへ加入。1年目からレギュラーに抜擢され、チームのリーグ連覇に貢献している。女子バレーは木村沙織(34)や栗原恵(36)・大山加奈(36)など高校時代から代表入りするケースも多いが、籾井は日本、ペルー、スペインの血を引いていて、高校時代まではペルー国籍だったため年代ごとの日本代表にも入っていない。

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 高校時代から帰化申請を始め、今回ようやく代表入りが叶った籾井を、バレー関係者たちは絶賛する。