バレーボールに限らず、スポーツの世界で年齢は関係ない。と言いつつも、常に「最年少」とか「最年長」とか、新戦力が出るごとに話題が年齢に及ぶのも事実。
9月29日に閉幕した、女子バレーボールワールドカップで誕生したニューヒロインもまさにそうだ。
「体は小さいけれどバレーがうまい」
大会開幕前日。公開練習を終え、多くの記者に囲まれた19歳の石川真佑の姿を見ながら、「彼女が産まれた時に私はもうユース(U18)代表だった」と35歳の荒木絵里香が笑う。
「すごくクレバーな選手。体は小さいけれどバレーがうまいし、スパイクを決める選択肢も多いから、ブロックを抜くのか、当てて出すのか、飛ばすのか、対峙するまでわからない。私が代表に入った頃、トモ(吉原知子)さんに出会って助けてもらったように、彼女のいいところをしっかり出せるような雰囲気をつくってあげたいですね」
U20世界選手権、アジア選手権で連続MVP
今年7月のU20(ジュニア)世界選手権で日本代表として初優勝、8月には同じメンバーを主体にしたチームでフル代表の韓国、タイを下しアジア選手権優勝。両大会で173cmの石川はMVPを受賞した。
その活躍を評価され、急遽フル代表へ招集された。そのため、3シーズンをかけてつくり上げられてきたチームの中に、突然ポンと加わるプレッシャーや不安を荒木は危惧していたのだが、そんな気遣いは無用だった。
初出場のワールドカップ。石川は開幕戦から途中交代で出場を果たすも、初戦はワンポイントに留まった。だが翌日の第2戦は4-13とロシアに大量リードを許した第1セット、古賀紗理那に代わって投入され、計20得点を叩き出した。