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「勉強中に包丁の刃先を母に」 「夜中のベランダで『虐待です!』と叫び声を…」 加熱する中学受験、“教育虐待”に悩む母たちの“叫び”

2021/06/11

 長女が塾に通い始めたのは、小学3年生の冬期講習のとき。私が普段から医療系の記事を書いていることから、医療マンガや医療本に囲まれて育った娘の夢は医者。『コウノドリ』の主人公、鴻鳥先生と同じ産婦人科医だ。

 ごく普通のサラリーマン家庭の子が医師を目指すことが身の程知らずなことも、ハードルがあまりに高いこともわかっている。でも子どもが夢を持ってくれたことが嬉しかった。学力はともかく体力と根性はある。挑戦してみてもいいんじゃないか。

 そう考えていたところ、たまたま隣駅の進学塾が「冬期講習無料」というキャンペーンをしていたため、あわてて入塾テストを受けさせ、ぎりぎりの点数で入塾を許可された。

夜遅くまで親子で宿題漬けに

 それにしても、公文もさせていなかったのに、自宅でのドリル学習だけで合格できるなんて。

「もしかしてうちの子、頭いい?」

 私の楽観的な思い込みが打ち砕かれるのに時間はまったくかからなかった。

 初めての塾通いで娘は洗礼を浴びまくった。講義の冒頭で行われる計算テストでは毎回ありえない点数を叩き出して帰ってきた。落ち込む暇もなく、連日続く講義に間に合うよう何とか宿題を終わらせなければならない。数列、順列、日暦算…。中学受験の特殊な算数と、漢字の先取学習に面食らいながら、夜遅くまで親子で宿題漬けになった。

塾から子どもに渡される大量のテキストと宿題 (写真:著者提供)

 ちなみに娘の席の隣に座る男の子は、計算テストは常に満点で、冬期講習中、とにかくその子のレベルがいかに段違いかを娘から聞かされ続けた。当初はまだ「きっと公文組ね。うちはやってなかったししょうがない」と余裕を持って聞けたものの、年明け、冬期講習も終盤となり、相変わらず悲惨な点数をひっさげ帰ってくる娘にだんだん不安がよぎるようになった。

「あれ、なんでうちの子、こんなレベルで入塾できたんだろう…」