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ギャルの聖地・渋谷の今

――ギャルの服っていう印象が強いセシルマクビーも昨年から徐々に減少していますよね。

赤荻 たぶんセシルマクビーさんはギャルを狙わなくなったのかな。だからお互いにどんどん離れていった気がします。ギャルが多様になったので、ギャルにうける服を作り続けるのは難しいと思います。昔はギャルといえばセシルマクビーやアルバローザでしたよね。

egg編集長である赤荻瞳さん 撮影:今井知佑/文藝春秋

――昔は渋谷がギャルの聖地だったと思うんですけど、今でも渋谷にギャルは集まっているんですか?

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赤荻 昔はスマホがなかったのでとりあえず渋谷に行けば誰かに会えるって理由でみんな渋谷に行ってましたけど、今はゼンリー(居場所がわかるアプリ)で誰がどこにいるかすぐにわかるので渋谷に溜まることは減っていますね。

――たしかに渋谷で溜まっているギャルをあまり見なくなりましたね。

赤荻 「ギャルサー」という団体がなくなったことも渋谷からギャルが減った理由の一つです。「ギャルサー」はギャルの高校生がイベントをする団体で、夏と冬に渋谷で大きなイベントをしていました。パラパラを踊ったり、ギャル雑誌のモデルさんを呼んでファッションショーをしてもらったり。ギャルサーのためにみんな渋谷に繰り出していました。縦のつながりも強くて渋谷でつながらない業者はいないってほど人脈がありました。

――「ギャルサー」はギャルのコミュニティだったんですね。

赤荻 そうですね。友達を作ったり、そこからギャル雑誌につなげてもらってモデルになったり。ギャルには欠かせない存在でした。今はSNSが発達してオンラインでつながれるようになったので、ある程度の人脈はSNSで作っていますね。ただリアルでみんなで集まってわちゃわちゃすることがなくなったのは寂しいですね。溜まってだらだらしゃべるって一見無駄そうに見えてカルチャーを作っていたのかなと思います。

egg編集長である赤荻瞳さん 撮影:今井知佑/文藝春秋

――今でも流行語はギャルが使う言葉からきていたりと、ギャルの生み出すカルチャーはいろんなところに影響していますよね。

赤荻 本当にそうです。「イケメン」とか「マジ」とか今では欠かせない言葉もギャルからきていると言われています。そういうギャル文化がこれからも広がってほしいなと思っています。