「A子はウチの専属契約。勝手に使うな」連日の電話で個展が中止に
A子さんは、その後、体調不良に悩まされながらも、本来の仕事である油絵の制作に没頭した。事務所と契約する以前から決まっていた個展のための作品制作の締め切りも迫っていた。
しかし、その個展は2020年10月、A子さんにとっては思わぬ形で“中止”になった。A子さんが続ける。
「11月に、ある大手百貨店で私の個展が行われる予定でした。美術雑誌にも大きく広告を出してもらっていたのですが、Yさんから百貨店の会場や本店に『A子はウチのタレントで専属契約している。勝手に使うな』といった内容の電話が、2週間くらい毎日かかってきたそうです。広告を出した出版社にも同じように電話をかけてきたと聞いています。
皆怯えてしまって、百貨店の方も画商さんも『私と関わりたくない』という姿勢になってしまい、そのまま個展は中止になりました。事務所を辞めたいという意思は既に、Yさんにも小泉社長にも伝えていたし、何より契約書を書く際にも『契約は来年からで、今年いっぱいの自分でとった仕事はやっていい』と小泉社長は言っていたのですが……」
「6883万7230円の損害賠償を求める通知書」
10月16日にはデルタパートナーズからA子さんへ「6883万7230円の損害賠償を求める通知書」が届いた。
通知書では、個展の中止を求めると共に、絵画プロジェクトを中止したことに対する高額な損害賠償を支払うように要求。さらに小泉社長へA子さんが謝罪し、事務所との契約を継続するよう求めていた。A子さんが続ける。
「事務所との契約の開始は2021年からと聞いていたし、私が個展をやることは、社長も納得していたはずでした。それを無理やり中止させた上に、かかった人件費や逸失利益を払え、小泉社長に謝罪せよって、一体どういうことなんでしょうか。