グダグダの絡みも番組の味となる
――ロケ先の素人さんとの緩い絡みも放送しているのは、生放送のようなライブ感を大事にしているからでしょうか。
岩津 もちろんです。グダグダに見えても、千鳥がきっちり面白くしてくれますしね。
馬場 基本的に一般の方には、どういう流れでどういうことを言ってもらいたいかを、スタッフから大まかに伝えています。それで、なかには緊張でカンペを棒読みししまう一般の方もいらっしゃいますけど、そういう方も千鳥さんがおいしくイジったりして、笑いとして成立させてくれるのですごいと思います! 千鳥さんも「埼玉の方々はみんないい人ばっかり!」とよく言っていますし。
出口 県民も『いろはに千鳥』に慣れてきてくださって、出演する方も千鳥さんとの掛け合いがとても上手で面白いです。
――番組の公式HPには「『いろはに千鳥』とは、千鳥の2人が街をぶらぶら歩きながら、絶品グルメを食べ、当意即妙に『いろはカルタ』を完成させて行く、街ブラトークバラエティ!」と紹介されています。しかしグルメネタもカルタも出てこない放送回が多いです。
出口 コロナ禍での収録になってからは、カルタの「カ」の字もないです(笑)。外でロケができていた時は、番組にメリハリをつけるために、街ブラのプラスαの要素としてちゃんとカルタを作っていましたけど。
岩津 そういうお決まりよりも、面白さを優先してるということです。とにかく視聴者のみなさんに、現場で千鳥が起こしためちゃくちゃ面白いシーンを見てもらうことが第一なので、そのためだったら決めたルールも無視していいと思っています。
――意識しているライバル番組はあるんでしょうか?
出口 千鳥さんや制作スタッフは、特に意識していないと思いますが、北海道テレビさんが制作して大泉洋さんらの出世作にもなった『水曜どうでしょう』は、多くの地方局が目標にしていると思います。全国の放送局に番販(番組販売)して、DVDも売れるような大ヒット番組を作り出したいという地方局は多いはず。テレ玉としては埼玉出身ではない千鳥さんが、『いろはに千鳥』をその路線に乗せてくれて大変感謝しています。
馬場 テレ玉さんが岩津さんのやりたいことを自由にやらせてくれる環境を与えてくれているのは、ありがたいですよね。Vチェック(放送前のチェック)でもいつも何も言わずにOKしてくださるんで(笑)。
出口 ほとんどNG出さないですからね(笑)。
馬場 放送禁止用語とか、ちょっと行き過ぎたエッチな表現だったりとか、テレ玉さんサイドからNGが出るとしたらそれぐらいです。
出口 テレ玉と吉本興業さんの共同制作ということになっていますけど、『いろはに千鳥』は千鳥さんと岩津さんの世界観の融合だと思っているので、自由にやっていただくのが一番なんです。
馬場 確かに、『テレビ千鳥』や『千鳥のクセがスゴいネタGP』など、千鳥さんの冠番組はたくさんあります。でも、それぞれの番組の演出やプロデューサーが考える千鳥さんの活かし方があるので、別の番組を見て参考にするのはちょっと違うかなと思います。