話題の番組『あいつ今何してる?』を企画したテレビ朝日・芦田太郎さん。入社11年目の今、また新しい番組を立ち上げた。この時代に、テレビにしかできないこととは? テレビバラエティ次世代のエースが語る、これからのテレビについて!(全3回の3回目/#1#2より続く)

 

いとうせいこうのツイートの翌日に企画を書いて通した

―― この4月から『ファクトリサーチTV』が始まりましたね。企画のきっかけはいとうせいこうさんのツイート《「その週バズったニュースを検証し、フェイクかどうか示し、ネタ元まで遡る週末のテレビ番組」》だそうですね。

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芦田 せいこうさんが2月11日につぶやいているのをたまたま読んで、「誰でもいいからやってほしいって書いてあるから、企画書出してみようって翌日書いたら、通ったんです。

―― 翌日!

芦田 翌日書きました。そしたらすぐ通って。部長の藤井さんに「じゃあ、4月からね」って言われて、スピード感凄くて「うれしいですけど……」みたいな驚きはありました。そしてせいこうさんにもすぐお声がけさせて頂き、番組が立ち上がりました。

『ファクトリサーチTV』毎週土曜 深夜0時35分放送 ©テレビ朝日

―― せいこうさんからは、どういう方向でやろうと提案がありましたか。

芦田 「バラエティ笑いはいらないないよね」とだけ言われました。あと、善悪二元論に落とし込まないようにしようと。答えを簡単に提示せずに、各人が事実を基に、考えてみましょうという番組にしようと。考え続けるテレビってないよねって。だから、初回の世論調査の回も、例えば内閣支持率について新聞やテレビによってどうして数字が違うのか?という事実説明は徹底的にするけど、最終的にこれが正しい!みたいな答えを提示してないんです。ただ目の前にある事実や見過ごされている事実を提示して「あなたはどう思いますか?」っていう問いかけで終わる番組にしています。

 

「数字は関係ないんです」って言っちゃうのはちょっと違う

―― リサーチや取材も大変そうですね。

芦田 大変ですね。世論調査の本も5冊読んで、もう一回大学受験してる感じでした(笑)。でも、2週目は、いわゆるバズったツイートが本当かどうかっていう検証で、これは少しバラエティ的な感覚も使いました。つぶやいた元の本人まで直接聞きに行ったりして、そういう画って単純に今までのテレビにないものだと思うのでこれからどんどんトライしたいと思います。

 

―― 『あいつ今』は数字という結果も出ていますが、この番組に関して芦田さんが求めている結果って何でしょうか?

芦田 どんな番組であれ、制作者として「数字は関係ないんです」って言っちゃうのはちょっと違うと思ってます。ただ、この番組はまず、せいこうさんの企画意図にのっとって、僕らはそれに味付けして、よりおいしい料理にしていくことが大事だと思っています。さっき言ったように、答えを出そうとしない「考え続けるテレビ」っていうものを提供していくほうがきっと新しく見えますし、それがゆっくりでも話題になって数字につながっていけばいいなと思っています。