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前橋駅にたどり着く。乗り入れているのは…

 そう思って前橋駅にたどり着く。前橋駅に乗り入れているのはJR両毛線だけだから、さすがに規模は小さく高架の2面3線。階段を降りてちょっと小さな改札口を抜けると、コンビニがあって他には……特に何もなかった。マクドナルドとか観光案内所とかそういうたぐいのものはあるが、明らかに高崎駅の規模とは違う。

 

 駅舎の外に出てみても、南口は駅前にビジネスホテルがあるくらいで、こちらもとりたてて語るようなものはないし、北口も広々とした駅前広場が迎えてくれる程度だ。

 もちろんまったくなにもないわけではなくて、広場の一角にはアクエル前橋という実に立派な商業ビルが建っている。チェーンのカフェやカラオケ店、TSUTAYAなんかも入っていて、ひと通りはここで楽しめそうな駅前ビルである。が、それ以外には童謡「チューリップ」の歌碑や結婚式場があるくらいだ。背の高いビルも少なく、駅前からまっすぐに延びているケヤキ並木にはクルマはたくさん走っているが人通りはまばら。とにかく“県都の玄関口”というにはちょっとさみしい。それが前橋駅なのである。

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前橋駅は中心市街地から離れたところにある

 これで終わるとさすがに前橋駅の悪口を書くためにやってきただけになってしまう。そもそもJR両毛線においては前橋駅は栃木県側のターミナルである小山駅に次ぐ第2位のお客数を誇るし、群馬県内でも高崎駅に次ぐナンバー2。きっとまだまだ何かがあるに違いない。だいいち、前橋駅がどうしてちょっとさみしい県都の玄関口になっているのか、その謎を解き明かさねばならない。

 

 謎解きにはまず地図を見て、そのあと歴史をたどるのが王道だ。すると、前橋駅はどうやら前橋市内の中心市街地とは少し離れたところにあるようだ。群馬県庁や前橋市役所がある行政の中心は前橋駅の北西、利根川沿いにある。その前から伸びている県庁前通り、そして本町通りが前橋のいわば背骨のような大通りだ。前橋駅前から続くケヤキ並木も5分ほど歩けばその大通りとぶつかって、そこから北側に前橋の中心、つまり繁華街などが広がっている。