セ・パ交流戦、我が楽天イーグルスは、というと9勝8敗1分の6位でフィニッシュ!
球団創設と同じ年に始まった交流戦も毎年のようにパ・リーグ優位と言われる中、イーグルスは通算でゆっくり負け越している。セ・リーグと対戦するお祭りのようなワクワクや楽しみはあるものの、無双の強さをみせつけるホークスの突き抜け具合を毎年気にしながらというのが正直なところだ。
そんな中の貯金1、ましてやホークスは5勝9敗4分と大きく負け越し、今年は12年ぶりにセ・リーグが勝ち越したのだから万々歳だ!
万々歳な、はずだった!
だけど、だけど……
やはり阪神タイガースにくらった3連敗のショックは残る。
そうでもないタイガースにやられたのなら、ここまで悔しくはなかったのかもしれない。今、セ・リーグで圧倒的に強いタイガースとやってみたら、やっぱりむちゃくちゃ強かった。感情のごまかしが利かない感じ、もう真っ向からの認めざるをえない強さ。悔しい。悔しい。
先発ピッチャーのメンタルのタフさ、後ろも強い。打撃陣で言えば1戦目はマルテ、2戦目は佐藤輝明、3戦目は梅野からの上位打線と攻撃のバリエーションも豊富であった。特に3戦目は6―5の1点差での敗戦だが、6点全てをツーアウトランナーなしから奪われている。内5点は3度のフォアボール、全て9番打者にだ。これはツーアウトからのフォアボールがだめだという話ではなく、9番打者にそれくらいの勝負をしなくてはいけないくらい打線に切れ目がないのだ。もうイケイケの強さである。最終的に秋にやるチームはここなんだ、ここしかないと確信した。
冷めた選手はイーグルスにいるのか?
楽天vs阪神の3戦目が行われた夜、ミスタータイガース掛布雅之さん、松村邦洋さんと大阪のラジオ番組でご一緒させていただいた。ものまねあり、ものまねあり、ものまねあり、の3時間生放送(笑)。掛布さんより掛布さんぽくしゃべる松村邦洋さんの神業に今のはどっち?なんてメールもわんさか届く。
そんな中、1985年の日本一を知る掛布さんに日本一をとるために今の阪神にとって必要な事をお伺いするという唯一まともなコーナーがあった。
エンドレスダブル岡田彰布やダブル西田敏行、ダブル板東英二など松村さんとのものまね合戦を楽しみながらも、掛布さんの言葉には耳を集中させていた。なぜならばあの強さを見せつけたタイガースにとってもまだ日本一には必要な事があるのだから。
それを知りたかったのだ。
その答えはこうだった。
「冷めた選手がいるかどうかだねっ」
ん? 冷めた選手??
インパクトのある言葉だった。1985年は掛布さん自身が努めて冷めてプレイしようと思っていたのだと言う。つまり野球を俯瞰でみることができるプレイヤーが必要だという意味だった。
「バースに活躍してもらわなければいけない、岡田が状態がいい、すなわち自分がつなぎの4番に徹する事でチームを強くするんだと考えてました」
必ず悪い時がくるから、その時にイケイケだけでは乗り切れない。今の阪神には唯一そのピースが見当たらないのが不安要素だとおっしゃられていた。
「ならば何度もタイトルをとった事があるような実績のある選手がいるのか? 優勝経験者は? いないでしょ?」
そんなお話に頬杖をつきながら、阪神を楽天に置き換え考える僕。
いるやん。