旧約聖書で「光あれ」のひとことから天地創造が始まるように、光こそはすべての源泉。

 光そのものを写真に撮り、その美しさを表現しようと模索し続けるアーティストがここにいる。パリを拠点に活動する小野祐次だ。

小野祐次「Luminescence 」展示風景, 2021, シュウゴアーツ 撮影者:武藤滋生 ©Yuji Ono, courtesy of ShugoArts

 長年続けている作品シリーズを披露する個展「Luminescence(ルミネソンス)」を、東京六本木のギャラリー、シュウゴアーツで開催中である。

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歴史的建造物内のシャンデリアを被写体にする

 会場には、大きく引き伸ばされたモノクロ写真作品が幾枚も並んでいる。どれも黒と白だけのシンプルな画面だけど、白の部分はただの白じゃない。光の粒をそのまま写し取ったかのごとく、驚くほどにまばゆい。

小野祐次 Luminescence #12 2002, gelatin silver print, image: 116.4x89.1cm ©Yuji Ono, courtesy of ShugoArts

 これはいったい何を撮っているのか。アーティスト本人に話を聞けたので、教えを仰ぐことにしよう。