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「原石を育てたい」ドラゴンズのレジェンド、吉見一起さんが教えてくれた“将来の目標”

文春野球コラム ペナントレース2021

 週に草野球を5試合やっているBOYS AND MENの辻本達規です! 今日も朝5時から名古屋で1試合やって東京に来ました(笑)。

 先日、なんとドラゴンズのレジェンドエース、吉見一起さんとYouTube「吉見一起コントロールチャンネル」で対戦させていただきました! それも4打席、いや“泣きの1打席”も入れて5打席も対戦させてもらったのですから、本当に夢みたいです。

 吉見さんとは今回が初対面ですが、実は1年ぐらい前、立浪和義さんとごはんを食べていたときに、「これ、吉見や。代われ」と電話を渡されてご挨拶したことがあります(笑)。あのときは、びっくりしたなぁ……。

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「ピッチングと同じ感覚」の吉見さんのキャッチボール

 吉見さんの現役時代の印象をひと言でいえば、「正確無比」。針の穴を通すようなアウトロー、インローのコントロールですよね。子どもの頃は、「なんでこのピッチャーは打たれないんだろう?」と思っていました。でも、野球の経験を積んでいくうちに「これは打てない!」と思うようになっていったんです。

 初球からアウトローへビタビタに投げられたら、バッターは辛いです。なかなか手が出ませんし、2球目からは外のボールを追っかけてしまう。でも、外に意識があるままインコースに投げられたらバットは出てこない。「野球ってコントロールが本当に大事なんだ」と吉見さんのピッチングを見て理解しました。

 特に2010年、2011年の吉見さんは、まったく負ける気がしませんでした。他チームのエースと投げ合っても、しっかり勝つ。まさにエースの中のエースです。「ストライクはいつでも取れた」とおっしゃっていましたが、その通りのピッチングでした。昨年の引退試合も「なんで辞めちゃうんだろう?」と思うぐらい、ビタビタに決まってました。

吉見一起 ©時事通信社

 今回のYouTubeの企画は共通の知り合いの方からお話をいただいて、二つ返事で参加させていただきました。あの吉見さんと対決できるなんて、そんな機会ありませんから!

 吉見さんとキャッチボールもさせてもらいましたが、これは嬉しかったなぁ……。印象的だったのが、「キャッチボールとピッチングは同じ感覚」とおっしゃっていたことです。投げるボールが全部こっちの右胸あたりに来るんですが、これがピッチングのときはアウトローになるそうです。その次に、右の胸の上、下、脇の下あたりで3分割して投げ分ける。それが外角の出し入れにつながっていくと教えてくれました。

 吉見さんの場合、肩を作るためのキャッチボールではなく、ピッチングのためにコントロールを意識して投げ込んでいるんでしょうね。これまで自分がやってきたキャッチボールとはまったく違う考え方でした。「子どもの頃から吉見さんみたいに意識してキャッチボールをしていたら、どうなるんやろうな?」って思いましたね。ひょっとして、すごい選手になっていたかも……?

 今回の対決は、4打席勝負で1安打すれば僕の勝ちというルール。実はルールを聞いたとき、「4打席あるなら勝てる!」と思いました。

 なぜなら、今、僕は人生で一番野球が上手い状態になっているから!(笑) 週5回、草野球をやっているので、バットがめちゃめちゃ振れているんです。

 1打席目は全球ストレート勝負。最初からストレートに絞ってファーストストライクを積極的に振っていこう! 外角の球を思いっきり踏み込んで打ちにいこう! と考えていたので、ストライクゾーンに来た2球目を打ちにいきました。少し抜いたストレートだったのでタイミングを外されかかったのですが、甘めのコースだったのでヒットゾーンに飛んでいってくれました。

 3打席目からは変化球もアリ。スライダーとストレートの見分けがつきにくくて、スライダーを狙ったつもりがストレートだったので、止めたバットにボールが当たってセカンドゴロ。

 5打席目はもう一度ストレート狙いにシフトチェンジしたら、今度は本気のストレートが来ました! 差し込まれそうになりましたが、コンパクトに振り抜けたので芯に当たってくれて。吉見さんの股を抜いてセンター前へ。あれは完璧なヒットでしたね! 今回は吉見さんが慣れていない軟式のボールですし、僕は金属バット。他にもバッター有利な条件はいくつもありましたが、それでもめちゃめちゃ気持ちよかったです……。