「病死」とみられていた大翔くんも…

 2月26日、福岡県飯塚市の自宅から南に約230キロ離れた鹿児島県・桜島の麓にある観光ホテルで、実子である蓮翔ちゃん(れんと・当時3)と姫奈ちゃん(ひな・当時2)の首を絞めて窒息死させたとして、5月に殺人罪で起訴された福岡県飯塚市の職業不詳、田中涼二容疑者(41)。自宅では養子の大翔くん(ひろと・当時9)の遺体も発見されたが、当初、福岡県警は大翔くんの死因については、「病死」の可能性が高いと発表していた。

田中容疑者(「FNNプライムオンライン」5月6日配信より)

 しかし6月18日、福岡県警は田中容疑者を大翔くんへの傷害致死容疑で再逮捕した。社会部記者が解説する。

「当初県警は司法解剖の結果、病死の可能性が高いと発表しました。肺炎や気管支炎の形跡があったからです。しかし、田中容疑者の供述をもとに詳細に分析を重ね、暴行を受けたことが死に直接つながったと判明しました。大翔君の遺体には大腿部に打撲、全身にあざがあり、田中容疑者は『頭や腹を殴ったり、膝蹴りしたりした』と供述していました」

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 なぜ田中容疑者は養子の大翔くんに対して死に追いやるほどの暴行に及んだのか。

大翔くんの“いい父親”だった田中容疑者

 2019年8月頃、当時子供たちと元妻A子さんと福岡市東区に住んでいた田中容疑者。周辺を取材すると、区内の小学校に通う大翔くんの送り迎えをする姿がよく目撃されていた。

 同級生の子供を持つ女性は当時をこう振り返る。

田中容疑者の養子・大翔くん (「FNNプライムオンライン」5月6日配信より)

「大翔くんは小学校2年生の夏休み明けに、別の小学校から転校してきました。珍しい時期だったのでよく覚えています。最初はお父さん(田中容疑者)が登下校で、2人の下の子供を連れて、送り迎えしていました。

(田中容疑者は)見かけによらず、挨拶も丁寧で好印象でしたね。子どもたちがダンボールやペットボトルなど、捨てるもので制作した作品の『文芸展示会』が2学期始まってすぐにあったのですが、そのときにも来ていました。携帯で写真を撮っていましたよ」

 別の女性は「大翔くんを校門まで送っていたのを見たことがあります。大翔くんもお父さんに手を振ってニコニコしていました」と親子関係が良好な様子を目にしている。