——そんなこと全然ないと思いますが(笑)。
光浦 そんなことばっかり脳内でやってるんですよ。「いい人に見られようとしてるでしょ?」とか言う人を「え、まだそのレベルの話してるの?」って思える自分がまだいない……。まだ、一瞬「ハッ」としてしまいます。この「ハッ」ていう顔をしない自信がつくまで、スタッフに水は勧めないでおこうって思います。
1人でね……ずっとこんな自問自答してるんです。スッと「お水どうぞ」なんて言える人はいいよね。私なんかこんなにラリーしてるのにな、と思って。
——頭の中で(笑)。
光浦 そう。私なんかヘトヘトですよ、って(笑)。
——この本にはそういう光浦さんの頭の中のラリーが詳細に記録されている……。
光浦 だから、文字にしていこうと思って。脳みそでずっとこうやって忙しく考えて、性格の悪さも、「いいわね、そんなこと言えて」みたいなところも含めて。何様のどの目線かもう分からなくなってきちゃってるから(笑)。
——そのラリーを伝える言葉が巧みで、ストレスがないから読む方はずっと気持ちいいです。
光浦 だいぶ整えておきれいにして皆さんにお届けしてるから、本当に頭の中をドーンって出せたら面白いのになと思ってます。
——ソフトにしているんですね。
光浦 そう。そうしないと伝わらないんじゃないかと思って。「意味分かんない」で終わっちゃうだろうなって。
思ったことを口にしていたら共感してくれた
——以前光浦さんが爆笑問題さんのラジオに出られた時に「笑いって流れに任せること」「共感と理解がなきゃ笑われない」とおっしゃっていて。光浦さんはどうやって「共感と理解」にアプローチしていましたか?
光浦 私、全然してないな。迎合してないですね。
——自分が面白いと思うことを貫いた?
光浦 面白いというか、思ったことを口にしていたら、「分かります」って、そういうことを口に出せなかった人たちが共感してくれたんじゃないでしょうか。
いつもそうかもしれないですね。デビューした時から、別に意図してしゃべっているわけでもないし、役割としてしゃべったこともいっぱいあるんだけど、そうすると、今まで口に出せなかった人たちが「共感しました」と言ってくれた。
——それに励まされる人がいたんですね。
光浦 「初めて気持ちが言語化されました」というふうに言ってもらえて。もう、それだけでありがたいなと思って。私はマスの人たちからウケる人間ではないと思うんですね。少数のお友達とか、一部の互助会みたいな結束、そういう小さな繋がりがあるだけですごいうれしいし、そっちでいいなと。
——でも、そうは言っても『めちゃイケ』という、最高視聴率30%の番組にずっと出演されていました。
光浦 そうなんですよ。メジャーな番組にマイナー気質な人間が出てたから。だからおかしなことになったんでしょうね。