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コロナで環境が変わっても「あ、どこでも面白いな」って

——「正直私の方が面白いのに」とか「私の方ができるのに」という感情はどうやって手放せばいいのか。それこそ老後になったら解放されるのでしょうか。

光浦 ねえ。分かんないですよね。私の場合は一回「もういいや」って思っちゃって。「もう十分楽しんだ」と思って。

 コロナで人に会わなくなったじゃないですか。私がこの世界をやめたくないなと思う一つの理由って、こんなに魅力的な人たちとおしゃべりできなくなるのが悲しいってことなんです。カメラに映らなくてもいいから、ずっとこの人たちとおしゃべりができればいいのになって思ってたけど、コロナがやってきて、会わないなら会わないで別にどうってことないってことが分かってきて。

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 それと、英会話スクールとか行くと、クラスメイトができるじゃないですか。それが十分面白かった。いつもと環境が変わったらつまらなくなるのかなとか、寂しくなるのかなと思ってたけど、「あ、どこでも面白いな」って。そんなにビビることはないなと思って。

——確かにコロナで生活が変わりましたが、その新しい生活も過ごしていくうちに「意外と大丈夫」だったりして、それにびっくりしたりショックを受けたり……。

光浦 そうですね。あと、過去のことを懐かしんだり、過去の栄光にすがりつくんじゃないかなって、それがずっと怖かったんです。そうしたら、意外とそうでもない。ちょっと前のほうがありましたね。細かいことにこだわったり。

「お水あります?」といまだ素直に言えない

——「私の方が面白いのに」みたいなネガティブな感情を無くしてしまうと、自分が「いい人間」になってしまう、いい人間になったらつまらなくなってしまう……みたいな怖さはなかったですか。

光浦 そうそう、それもありました。でも売れてる人に嫌な人なんかいないんですよね。みんないい人なんだよ。今は特にいい人しか残らないですよね。

——光浦さんが思う「いい人」って、どういうタイプですか?

光浦 明るいし、スタッフさんともすごくフレンドリーにおしゃべりするし。あと、気を使うよね。「お水あります?」とか。

——分け隔てない人。

光浦 分け隔てないのか、職業として、プロとしてそこはやっているのか分からないけど。やっぱりそうすると「あの人いい人だよね」で噂になるでしょ。それは全く自分に損はない、得しかないので。

——そうですね。

光浦 「あ、お水あります?」って言えばいいだけの話なんですよ。一言いうだけ。だけど、私、それをやるのはいまだに恥ずかしくて、一回も言わない(笑)。そこは変な恥ずかしさがあるんですよ。

 

——もう1人の光浦さんが見てる。

光浦 そう。悪魔が見てるから。「お前、今いい評判流そうとしただろ」って、もし誰かにバレたら、私はそこの言い訳はまだできない!