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王室に入るという覚悟がなかったメーガン妃

 なぜメーガン妃は「何でもあり」に振舞うのか。それは、王室に入る覚悟とそのための教育の時間が足りていなかったからではないでしょうか。メーガン妃は2016年に知人の紹介でヘンリー王子と出会い、翌年の2017年11月には婚約、女優を引退しました。そして、その半年後に結婚式を挙げたという、まさに電撃結婚でした。メーガン妃は当時36歳。婚姻歴があり、アメリカでは女優として活動していました。それゆえに王室の空気を窮屈に感じたかもしれません。

オプラ・ウィンフリーとの対談で王室内の人種差別発言を明かした2人 ©ロイター=共同通信

 かのダイアナ妃もわずか19歳でチャールズ皇太子と婚約しています。それは皇太子と恋仲になってからわずか1年のことでした。ダイアナ妃も17世紀から続く貴族の家系の生まれでしたが、ダイアナ妃が幼い頃に両親は離婚。貴族としての教養を身につけていたわけではありません。王室に入って初めて、その大変さを、身をもって実感したのではないでしょうか。

 イギリス王室とは事情が違う部分もありますが、日本で今起きている秋篠宮眞子さまと小室圭さんの「結婚問題」がこれほどこじれているのも、小室さんが皇室に対する理解と覚悟を欠いたまま、婚約をしてしまったことにあると思います。その点では、小室さんはメーガン妃やダイアナ妃と同じような問題を抱えているともいえるのです。

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皇太子と結婚し、スウェーデンの王室に入ったダニエル王子

 私には小室圭さんやメーガン妃の事がニュースになるたびに思い出す王子がいます。それはスウェーデンのヴィクトリア皇太子と結婚したダニエル王子です。彼は、小室さんやメーガン妃とは異なり、スウェーデンの王室に入る「意味」を理解し、覚悟を決めた人物でした。

眞子さまと小室圭さんの婚約内定会見 ©JMPA

 スウェーデンでは男子にしか王位継承権が認められていませんでしたが、拙著『立憲君主制の現在』(新潮選書)でも詳しく触れておりますように、1979年に王位継承法が改正されたことにより、ヴィクトリア王女が正式に皇太子となりました。現代のスウェーデンで初の女王になることが決められたヴィクトリア皇太子は18歳から皇太子としての公務が始まりましたが、極度のプレッシャーから拒食症を患いました。その治療の過程で出会ったのが、彼女のトレーナーを務めたダニエル王子です。