「家の材料価格」エピソード5:セルフビルドの意外な出費は食材費
基本セルフビルド中は、私と妻の二人で作業をし、どうしても男手が多く必要な時は友人に助けを求めていました。当然ギャラは出ません。だからこそ、友人がいる間の食事はこちらが提供します。まあ当たり前ですね。
屋外での重労働が続くセルフビルド。朝も昼もボリュームたっぷり。そして私も友人たちも、酒好きの宴会好きばかりですから、当然夜は大宴会。肉に魚に大量の酒を用意するのですが、これが年1回の宴会ではありません。6年間で果たしてどれだけ食費につかったのやら……?(まあ友人たちとのこんな時間が、セルフビルドの醍醐味なのですが)。
そうなんです。忘れてはいけないのが「時間」の概念。我が家の建築期間は6年=2190日。それだけの期間に、私と妻だけでなく、友人や親戚、ご近所さんなど多くの人の手が関わっているのです。それらを「人件費」と考えると、一体いくらになることか。
単純に安くだけを考えるなら、その期間を自分の専門分野でプロとして働いた方が良かったのではと思うこともあります。しかし多くの人とともに行った建築の思い出はプライスレス。あまり何でもお金に換算するのは良くないことですね。
さあ、長々とお答えさせていただいたセルフビルドに関するさまざまな疑問もついに最後となりました。自宅をセルフビルドした私が色々な人に聞かれる質問第1位は!?
よく聞かれる質問 第1位:「セルフビルドって私にもできるのかな?」
はい、これです! これは老若男女を問わず、本当に多くの人に聞かれます。やっぱり自分でやってみたいなって思う人は少なくないのでしょう。
さてこの質問へ、私が自信を持ってお答えしましょう。
「セルフビルドは誰でもできます!!」
断言します。もちろん大工経験のない人がやる以上、時間もかかるし、余計なお金もかかるし、仕上げの完成度も低くなるのは当たり前。
「でもね、自分の家を家族や友たちと作れるって、すごくない? 楽しそうでしょ!」
もちろん、長い期間と大きな資金が必要で、同時に工事中の危険も伴うセルフビルドを、簡単に人に勧めることはできません。
それでもやっぱり、多くの人に「自分の家を自分で建てる楽しさ」を知ってほしい。
そう強く思います。趣味の小屋でも、車のガレージでも構いません。皆さんもぜひ一度、トライしてみませんか? なかなかエキサイティングな時を、仲間と共有できると思いますよ!
写真=阪口克
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