昨今、築古ボロ戸建てをリフォームして貸し出す不動産投資が流行っています。背景には空き家の急増、アパートローン借り入れの難化などがあるのですが、やはり一番の要因は単価の安さと利回りの高さでしょう。そのせいか初心者の参入が目立ちます。
今まで不動産投資の入門用商品といえば都内のワンルームが定番でしたが、こちらは利回りが下がりに下がっていて、実質5%も出れば良いほうです。ところが戸建て投資はうまくやれば、都内でも10~20%の利回りが狙えます。
私もご多分に漏れず、都内や横浜市内で築古戸建てをリフォームして貸し出しています。ところが仕入れからリフォーム、賃貸付けにいたるまで苦労の連続で、とても素人や初心者にお勧めできるものではないと痛感しています。
というわけで今回は「戸建て投資は楽じゃないぞ!」という事実をお伝えするため、私が江戸川区に200万円(桁の間違いではありません)で買った戸建てにまつわる、今でも胃がねじ切れそうな苦労話をしたいと思います。
仲良しの不動産屋さんが激ヤバ物件を持ってきた!
いつものように投資対象を物色していると、仲良しの不動産屋さんが江戸川区・京成線・2階建て・駅徒歩7分で380万円という爆裂お安い戸建てを持ってきてくれました。
これだけお安いからには当然裏があり、まず土地権利が所有権ではなく借地権。そして建物はボロボロでツタだらけ。あまりの悪条件ゆえ、店晒しになったままずっと売れ残っていたそうです。
こんなん人に薦めたらアカンやろと思ったのですが、私が以前にもボロ戸建ての再生に成功していたこと・駅近であること・角地で再建築ができること・毎月の地代が激安(固定資産税と大差ないくらい)であることから、ワンチャンいけるのではと踏んだようです。
とりあえず先輩大家さんと現場を見に行くと、住宅街のなかに緑に包まれた廃墟が建っていました。ふたりとも口あんぐりでコメントが出てきません。イメージとしては完全に天空の城ラピュタ。父さん、ラピュタは江戸川にあったんだ…!
一応内見もさせてもらったのですが、雨漏りと壁の雨しみ、湿気で内部はひどいことになっていました。天井は化粧板が剥がれて落ちかけているし、床も当然グズグスに腐っています。もちろんシロアリさんも入居しており、柱が一本モロモロに。
かなり酷い状態なのですが、驚いたことに数年前までオーナーさんが別宅として使っていたようで、残置物が大量にあります。これはもう、並大抵のことでは収まらないと思いました。