「Self Build」という言葉をご存知でしょうか。「セルフでビルド」。日本語にするなら文字通り「自分で建てる」という意味です。
セルフビルドは、DIY(Do it yourself=自分でやろう!)文化が盛んなアメリカカントリーサイドでは、わりと日常的な言葉で、小屋や物置にガレージ、さらには自宅を自分で建てる猛者まで多くいます。
「自分の家を自分で建てる」というと、「そんなこと本当にできるのか?」と思う読者も多いと思います。しかし、実際にできます。なぜそんなこと断言できるのかって?
「だって俺、実際に自分の家を建てて、今住んでるんだもん!」
日曜大工でマイホームが!
私の職業は雑誌カメラマン。建築前は、東京都内のアパートで証券会社勤めの妻と二人暮らし。それまで日曜大工の経験は全く無く、工事開始前にノコギリを使ったのは、中学の技術の授業だったはず……。そんな私達夫婦が、夢のマイホームを自分で建ててしまったのです。
工事を始めたのは2010年。工事期間は実に6年。今は無事に完成し、工事直前に生まれた娘と家族3人、無事に暮らしております。
それでは、実際に自分の家を自分で建てるとはどんなことだったのか?
いろいろな人から聞かれる質問ベスト5をキーワードに、セルフビルドの面白さを紹介したいと思います。
よく聞かれる質問 第5位:「素人が家を建てても問題ないの?」
はいこれ、非常によく聞かれる質問です。真面目な人の多い我が国日本。建築物を素人が建てて法律違反にならないのか心配になるのでしょう。
では質問への回答は? ズバリ「問題ある」ところもあるし、「問題ない」ところもある。全然ズバリでない結論です。
というのも「住宅建築工事」は実に多様な作業の集まりで、多くの人が関わって行われています。そしてそれら作業には「資格」がいるものもあれば、「素人」が行っても良いものもあるのです。
例えばの話、電柱から電線を引っ張ってくるのは資格が必要ですが、窓枠に窓サッシを入れるのに資格はいらないというのは、想像がつくと思います。もちろん資格がいらないからと言って、売り物の家の窓サッシをプロでない人間が設置して、ガタガタの窓になっては大問題。でも、それが自分で作った自分の家なら、それは自己責任。ガタガタの窓にガタガタ文句を言っても仕方がありません。