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2021/06/27

 慌てて天井裏に上がります(我が家では、玄関収納の天井板が外れるようになっていて、天井裏に入れるようになっています)。懐中電灯片手に問題の箇所に行ってみれば、屋根板と構造材の間から水が流れ続けています。

 タオルとガムテープで応急処置をし、雨漏りポイントを頭に刻みつけました。翌日、天気の回復を待って屋根に上がり、記憶を頼りにポイントに行ってみると、屋根材に目で見てわかるくらいの大きさのダメージが。あとでプロに確認したところ、風で何かがぶつかったのではないかとのこと。確かに大雨と同時に強風が吹いておりました。

 雨漏りの原因がわかれば、修理は簡単です。専用のコーキング剤で穴を埋め、屋根表面の材を新しいものに交換。その後の大雨で雨漏りはないので、リカバリーは成功したようです。

ためらいもなく屋根に上がる父

 家のトラブルに慌てず、自分で確認して対処できるのがセルフビルドの最大の利点でしょう。天井裏に簡単にアクセスできる設計も、「父ちゃんがなんのためらいもなく屋根に上がる」ということそのものも、セルフビルドだからこそ。我が家のどこであろうと、住人はアクセス可能なのです。

完成後にドローンで空撮した我が家。正面に屋根付きウッドデッキ、右に薪小屋、左奥にはガレージもできている。

 そのほかにも、やって良かったと思うところは多いです。やはり贅沢に無垢材を使った太い柱や天然油で磨いた床板は美しいし、良い香りがします。人件費がかからない分、材料をちょっと贅沢にできました。もちろん妻と悩みに悩んだ間取りも納得の出来ですし、2階の工事が怖くて平屋にしたのも結果として使いやすかったです。

 壁の中や屋根裏など家の構造は全て頭に入っているので、修理だけでなく改築や追加工事がやりやすい。屋根付きの広いウッドデッキや、作り付けの家具、車2台分のガレージ、大量の薪を保管する小屋など、住み始めてからの追加工事で完成した箇所も多いです。毎年のメンテナンスも含め、自分で手をかけ続けることができる建物なので、家に対する愛着は大きいです。

 そしてやはり何よりは、家族や仲間と作った思い出が、家のアチコチに残っていること。「ああここのドアはアイツが付けてくれたんだな」とか、「この壁の漆喰は娘と塗ったよな」とか、「あのバカ、こんなところに間違った穴開けやがって」とか……思い出せばきりがありません。そんな大切な思い出と暮らせる「セルフビルドの我が家」を作って、本当に良かったと思っています。

 さあここまでお答えしてきた、セルフビルドへの疑問ベスト5。続きは次回をお楽しみに。

写真=阪口克

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